ちょっとめずらしい?じゃず・レコード盤??? Vol.33

TED CURSON 2

幻の名盤と言われていた“PLENTY OF HORN”。希少レーベルのためか?ドルフィーが参加しているためかはわからないが内容的には“LIVE AT LA'TETE DE L'ART”と同様、僕的には幻の名盤と言われるほどの内容か納得できないが、このオリジナル盤の音質はまずまず。
このレコードのオリジナル盤はブルーワックスであるとされているが、市場に出てくる殆どはホワイトラベルのプロモ盤。僕は一度しか見ていないが正規オールド・タウン・ラベルのブルーワックスが存在する。オリジナル盤と言うのなら正規ラベルのブルーワックスであろう。しかし、僕はブルーワックス盤の材質のためか?細かなバックノイズが入るのが気になり、またプロモラベルを買う気になれず2ndの黒い通常盤を好んで所有している。

さて、テッド・カーソンとして内容的にも録音的にも納得できるのが前述した“FIRE BALL”と同様の日本規格盤シリーズ。“ブルー・ピッコロ”もその中の一枚。しかしコレクターには日本規格で見向きもされず、出れば千円以内で購入可能(逆に千円以上で見た事がない)。再発盤も出ているが音質は殆ど変わらないので、中古屋で安く見かけたら聞いてみてください。
下が再発盤であるが、音質的に比べて聞いてもほとんど分からない。わずかにオリジナルの方が重心が下がっているような気がするが、このわずかな音質差をオーディオ雑誌風に書くと「さすがにオリジナルの音質である。再発盤と比べると明らかに背景が静かになり、音量を上げれば上げるほど楽器そのものが浮かび上がり、一音一音の輝きは見事で、まるで万華鏡を覗いているような心地よさを感じる事が出来ることだろう(笑)」(2010/9/15)
JAZZ USA / SONNY CRISS

ジャズの歴史的に重要ではない人とされているソニークリスだが、人気は他の一流ミュージシャンと変わらない。常々思うのだが、どうも僕の周りにいる人は例えば、歌謡曲・アイドルだからとバカにする傾向の人が多い。音楽歴史上あまり重要でない人達を相手にしないことが知的と感じているのだろうか?音楽は感性であると思う。歌謡曲のワンフレーズ、歌詞に心を動かされる時もあるし涙することもある。心に響くものがその人の音楽であるはず。まさか歴史上重要と言うだけで嫌いな音楽を聞く人もいないだろう。ジャズが好きだから聞いているだけであり、後から研究された読み物にコレコレは重要だから聞く様に…余計なお世話である。ソニークリスが好きだから聞いているだけのことである。
強烈なイメージがあるソニークリスは好き嫌いがハッキリと分かれる。身近なコレクターでもやけに甲高い音についていけず聴かない人もいる。しかし、彼の独特な泣き節なる音に接すると、ついつい聞き入ってしまう人も多いはず、僕もその一人である。特にインペリアルの3部作は極上の泣き節が聞けるが、コレクション的にはUSAだけが入手が難しい。後の2枚は美盤が出てくるのにUSAだけは縁がない。数はあるがガタ盤ばかり。僕も先日仕方なくヤフオクにて入手したがバックノイズはあるものの音に出る様な傷は無くようやく3部作揃った。これでガタ盤2枚を処分できる。そういえばソニークリスで思い出すのは80年代にキングから発売された廉価版シリーズ。当然この3部作も発売されたが、当時オビの後ろにコレクターズ価格が書いてあり、たしか3部作とも50000円となっていたはず(記憶間違いでなければ)。多分、「何でも鑑定団」と同じく流通価格のわからないジャズ評論家の価格だと思うが当時のコレクターは大笑いだった。しかし、このキング盤は少しハイ上がりぎみだが、なかなかの音質であり驚いた記憶がある。たしかブルーノートの重量盤もこの頃であり、再発の音質に注目され出した最初であった様な気がする。(2010/9/24)

Blue Train

数年前に新譜のCDで購入し、以来CDにもかかわらず、聴く機会が多い「Blue Train」。バップスタイルのピアノトリオだが、現代的な香りの漂う好盤である。昨日新宿ユニオンに行ったら、LP新譜コーナーに飾ってあり、早速購入。好きなCDをアナログで聴けるのは幸せである。内容は僕的に素晴らしいと思うが、このLP、聴きなれたCDに比べると若干CDの方が良いように感じる。音質が悪いとか良いとかの問題ではないがCDの方が少し引き締まっている気がする。これは発売されてから約4年経っているのとカッティングエンジニアの感性の違いによるものだと考えられる。しかし良いものは良いので、まだ聞いたことのない人にはオススメ盤である。(2010/10/30)

最近入手したレコードから

下記の2枚の愛聴盤は今までモノラル盤で楽しんできた。機会があればステレオ盤を聞きたいと思っていたがなかなか良い盤質が見つからず、ようやく最近になって手にすることができた。

THE FOX / HAROLD LAND

ステレオ盤の評判は聞いていたが音の厚み、艶やかさなどモノラル盤に引けを取らない。モノラル盤の凄みをそのままステレオ盤にしたような音質。ただ残念なことに音場が狭くモノラル盤のように聞こえ、自然なステレオ感がない。この不満点がなければ優秀録音盤になっていたと思う。しかし十分に楽しめるので安く入手出来る機会があればモノラル盤でもステレオ盤でも聞いて欲しい一枚。

MOTION / LEE KONITZ

モノラル盤の凄い迫力に比べ、ステレオ盤になると端正な鳴り方。このステレオ録音は、まるで初期のビートルズのような不自然なステレオ空間でガッカリ。一つ良い点を上げるとしたらコニッツがじっくりと聞くことが出来ることだ。モノラル盤だとエルビンのドラムが絶妙に絡み、このレコードの凄みの様になっているが、ステレオ盤ではエルビンもおとなしく聞こえコニッツが浮き出てくる。しかし面白さからいうとモノラル盤であろう。これほどモノ、ステレオで迫力、凄味が違うレコードも珍しいかもしれない。以前、あるオーディオ評論家がモノラル盤はこの位の音質だからステレオ盤もそれほど変わらないだろうと書いていたが初期のステレオ盤は聴き比べるまでその音質差が分からない(2010/12/2)

WALTER STRERATH - TRIO QUARTET QUINTET

欲しい!
とある知人から聞かせていただいたWALTER STRERATHあまりにカッコよすぎる内容は久々に僕を興奮させた。その知人もすごく苦労して手に入れたみたいで、入手は難しいよとは言っていたが、あれから何年経っただろうか?内容も忘れていた頃、復刻が出るというので復刻版LP、CDとも購入。オリジナルの音は完全に忘れていたが素晴らしい。この人はWalter Strerath Trio / Fly to Brazil が有名だが内容的にはこちらのほうが断然上だと思う。しかしヒョンなことからオリジナルを入手。ジャケットの作りも復刻とは少し違うが、復刻版の音質は優秀。細かく言うと復刻版はエッジが効いて音圧が強くCDっぽい音がするがオーディオ機器によってはこちらの方が聞きやすいかもしれないが、こんな貴重盤を優秀な音質で聴けるだけでありがたい。コレクター以外音質差でいうところの価格差は絶対にない。LPは新譜で3000円後半で買ったがCDは未開封の中古を780円で手に入れた。こんなにかっこ良い内容なのに人気がないのかな?(2010/12/22)

上がオリジナルで下が復刻。音質はどちらも良好
一年ぶりの更新ですね。この一年CDを中心に聞いていました。00年前後から11年の新譜、約1500枚ほど聞いた。(正確には1506枚iTunesでの登録枚数)時間的に全て聞けるわけがないので、iPodに入れて聞いたりHDに入れて聞き流し購入したもの全て聞いたと思う。購入もそのほとんどが新宿ユニオンCD館で、最初は店員に嫌がられていたけれど、購入した全てのCDを視聴機で聞かせてもらっていたので、1500枚で自分的にはハズレは一枚もなかった。しかし最近のハイレゾはさすがに凄い!と思いつつも、楽しさからいうとやはりレコードであろう。聞いてて凄いと思うのはハイレゾ再生。気軽に聞き流せるのはCD、楽しくなるのはレコードと自分の中で分類してしまった。当然レコード売り場にはセール以外行く機会が少なく、店員も新しい人たちが多くなり、気軽に話せる人もいないので、たぶん、レコード売り場ではただの中年のおっさん、いや、その他大勢かな。この前もCDも面白いですよとレコード売り場で見知らぬ顔の店員に話していたら、横で検盤をしていた僕よりも年上の紳士?にレコードの方が音も良いし、良い演奏も多いから是非、あなたみたいな人はレコードで聞いた方が良いですよと説教されてしまい、僕も「がんばります」などと親切心を傷つけないようにお礼を言ってからすぐにCD売り場にいってしまったが、どうやら新宿、お茶の水レコード館では新人レコードファンになってしまったようだ。一年のブランクは大きい。さて、でもしっかりとレコードも買い物をしている。買い換えるレコードがほとんどだが、少しは探していたレコードも入手した。数としては少ないが印象に残ったレコードは・・・
LUCY ANN POLK WITH DAVE PELL OCTET


このレコードは全然縁がなく、(オリジナルは何回か聞いていた)仕方なく日本再発盤を買ったが音の悪さにガッカリ。基本的にはキズ盤は購入しないので10回以上は手にしているが、ようやく綺麗な盤を見つけた。ヴォーカルはオリジナルに限る一例

JAZZ / JAIME DELGADO APARICIO


ユニオンなどで再発盤を500〜700円くらいでよく見かけるが内容的に好きな、いや聞きやすい演奏なので機会があればオリジナルで聞いてみたがった一枚。よくオリジナルを聞くとベールが一枚剥がれるなどというが、このレコードは音質そのものが違い、どう表現してよいかわからない

NARDIS / KLAUS TREUHEIT


最近CDでもレコードでも再発されているが私家版で500枚オンリーというと欲しくなってしまった。再発盤との音質差は感じられないが、コレクターの自己満足だけで所有している

MY POINT OF VIEW / ERALDO VOLONTE


よく見るけど高いレコード。イタリアの再発盤や再々発盤で演奏はよく知られているが、内容的にはコルトレーン。基本的に安くないと購入しないたぐいのレコードだが、ピカ盤で以前の半額以下となると手が出てしまう

AU CLUB ST.GERMAIN VOL.1 / ART BLAKEY


これで3枚全て揃った。何年探し続けただろう?しかし残念なことにジャケットが2nd。でもキズなしで4200円だったから大満足。昨年一番うれしかった

JG / JOHNNY GRIFFIN
INTORODUCING / JOHNNY GRIFFIN
COOL STRUTTIN' / SONNY CLARK


この3枚は買い直しレコード。JGは綺麗なジャケを探していたがヤフオクでゲット。INTORODUCINGは(少し)キズ盤を長年聞いていたが、ヤフオクで見た目は悪いがキズは感じられないという説明を信用し入札したが、FAIRCHILDのカートリッジで再生すると持っているものよりも酷く、頭にきてピカピカなレコードを無理矢理3週間後にヤフオクで落とした。COOL STRUTTIN'は、遊び半分で見たレコードがスリーブすれもないピカピカ。このレコードでは初めての経験で衝動買い。最近人気も落ち着いてきたせいか全盛期の半額以下だったのが良かった。でもブルーノートの中では一番聞かないレコードかもしれない

HALL DANIELS' SEPTET


内容的に無理矢理オリジナルでというレコードではないが素晴らしく綺麗なレコードをみてしまうと・・・ついこれも衝動買い

ちょっと思い出しただけでこれだけ思い浮かぶので、他にも結構レコードを買っているのかもしれない。じつは引っ越しも終わりオーディオも劇的に変わったが、昨年の震災を考えると更新する気になれない。今は音楽を聞くことが楽しいので更新をあまり期待しないでください。ではでは(2012/1/3)
懲りないコレクター?

CDを本気で聴くようになり2年、最近ようやく新譜の面白さが分かってきて誰も見向きもしないCDで大当たりすると一日中幸せな気分になれる。これも新宿、御茶ノ水ジャズ館で気持ちよく、すべて視聴させてくれるのでハズレがない。何処かの大先生が書いた本しか情報がない人には申し訳ないが見向きもされない秀作CDも多い。レア本に載っているCDは高価だが再発されると途端に値段が崩れ、なぜ再発するんだ!と怒るコレクターもいるとかいないとか。兎に角、再発レアCDが出て内容が分かると(こんなものか)と思う人も多いはず。まぁ偉い大先生も全ての新譜CDを聞くのは不可能だから仕方ないか。でも、驚いたことに80年代後半の幻の限定盤が復刻されると?明らかにレコードコピーしたものがある。自主出版にはよくあることだが、20年ほどの間にマスターがなくなってしまうケースが多いみたいだ
アナログレコードの話をしよう。レコードの方も相変わらず週末セールだけは通っている。殆どが買い替えだが、整理してみると三大レーベルはあと数枚の入れ替えと買い足しで全て欲しいものが揃うところまできた。もともと絶対に聞かない盤まで揃える気はないが、最近整理したレコードの中から一部を紹介すると

印刷の違いが分かるだろうか?

印刷がずれている

Walter Streath

好きなものは何枚でも欲しくなる悪いくせで、最近3回も買い直してしまい自分でもバカだなぁと思う。1枚目はあまりにも興奮しすぎて気にしなかったが、大好きなB面だけがほんの少しビニヤケしていて、曲が始まると全くわからないが完璧ではないのが気になってきたところ、セールで出るというので1番に並び買い直し。今度は今度でレコードは完璧だがジャケットの印刷ずれが気になり出し、続けて週末セールに出たレコードをみたら色ズレなし。200枚しか作らなかったジャケットでもこれほどの差があるとは驚いた。仕方なく現在オリジナル盤が3枚あるが1枚はそのうちに処分?かトレードになると思う。

move / J.Zelnik TRIO

幻が再発されると人気が極端に落ちる。このレコードもそのうちの1枚。内容的には何回も聞きなおすレコードではないし、聞きやすいがごく普通の演奏。再発でも音質さがないので余程の金持ちかアホが購入するのだろう。そのアホが僕である。完全な衝動買いで気分が落ち着くと自宅で落ち込んでしまったことは内緒にしよう

LEE KONITZ IN HARVARD SQUARE

オリジナルが欲しいのは、コレクター誰でも一緒。リーコニッツのハーバード長年探していたがやっと入手。持っていたコーティングの再発ジャケットから額縁のコーティングなしの1stジャケットに入れ替わり、前述のレコードとは違い気分晴れ晴れ

go man! / sonny criss

面白いレコードを手に入れた、有名なソニークリスのゴーマン。ところが少し違う。そう、カナダ盤である。スタンパーは一緒なので音質は全く変わらないが、こちらもスタンドがない。どちらが最初?よく聞かれるがスタンドがある方が写真が少し粗いのはなぜだろう?と問いただす。
まだまだ書きたいレコード、買ったレコードがあるが、ただの自己満足と自慢話になるのでこの辺で辞めときましょう。ではでは、また暇な時に会いましょう。(2012/6/25)

・・・・・ちょっとめずらしい?じゃず・レコード盤??? Vol.34に続く・・・・・