ちょっとめずらしい?じゃず・レコード盤??? Vol.34

迷盤・名盤

名盤とは何だろう?後期の‘Swing Journal’の5、60年代名盤の評価はいつも満点?? ところが古い殆どリアルタイムで書いている評価はずいぶんと低い(当時の本をみれば分かる)時代とともにかわる評価。しかし名盤であるかどうかは自身の感性で判断することで、他人に左右されることでもない。愛聴盤が必ずしも名盤という人も少ないであろう。
僕も迷盤か名盤か分からないレコードを多数所有しているが、一例を挙げると『quiet Kenny / KENNY DORHAM』や『Lee Morgan / Candy 』。 オリジナル盤は人気があり、大変高価であるが購入時期は遅く、アホ臭い値段を出して購入した記念すべきレコード。quiet Kennyなどはピカピカ盤を5万でも無視し、7万でも2回。10万で2回手にしているが、どうしても購入できなかった。理由は好きではないから。しかし過去に1回だけ名盤だなと思わせる機会があった。あるコレクターのRogersから流れてくる音の美しいこと。その感激をそのままにしてレコードを購入すればずいぶんと安く買えたのに・・・と思っても後の祭り。レコード屋で視聴すると買う気が失せるほど何も感じない。KENNY DORHAMはやはり他のレコードを基準にしてしまうからかもしれない。もう一つ、この頃のヴァンゲルダー録音は第2の絶頂期というくらい凄まじい録音が多いのだがquiet Kenny は演奏からか?録音も今ひとつ気に入らない。これはCandy にもいえるかもしれないが。稀に良いと思わせることがあるこれらのレコードだが、どうしてもその日の体調や感情に左右されるみたいで、僕にとっては未だに迷盤である。

近頃のヨーロッパ盤事情

この半年で欧州盤をけっこうな数を購入している。理由は安いから・・・基本的に傷盤は買わないのですべてピカピカといっても良いくらいのコンディションで値段を書くとコレクターに殴られそうなくらいの値段。ヨーロッパは特に興味がないのに購入するくらいだから値段の変動が激しく運さえ良ければ、セールで激安入手が可能だ。しかし次の週のセールに少し盤質が落ちる同じレコードが他店で普通?の値段に戻ることも多々あるのでヨーロッパ価格は未だに分からない

TUBBY HAYES

今日は何もないなぁと並んだ新宿セール、番号も7番目。ゆっくり店内を見回すと壁に TUBBY HAYES が2枚残っている。日本盤の復刻で持っているからいいやと思いながらも、あまりに安いので検盤してると、店員までこれは安すぎますよね。などと言う。表示はB+で問題なしだが、一昔前だったらガチャ盤でも入手不可能な値段

SONNY CRISS

いま昔の値段じゃ売れないから・・・店頭店員の検盤のさいの会話。昔から欲しかったがMint盤がなかなか出ない。しかしお茶の水のセール情報でMintと書いてあり久々に1番で並び、手に取ると予想価格の半額以下で気抜けしてしまったほど ラッキ〜DAYであった。

下のシングル2枚ちょっとの値段といえば想像つくかなぁ

TRICROTISM

以前コレクター宅で聞かせていただき演奏は気に入ったが、そんな値段まで出して購入する価値があるかどうか?自分自身で納得できる値段というものがあり、当時はとてもじゃないが手が出ない。盤はピカピカだがジャケットに少し円盤が出ているので売れないので激安にしたとか。それ以前にヨーロッパは人気が極端になくなり、一部のレコードだけが高価格で売れるそうだ。
しかし一時の3から4倍の値段は何だったのだろう?高いと売れないヨーロッパ盤は販売店の悩みの種になりそう。その点、アメ盤は売れる値段が分かりやすいから、逆に激安で購入できることも極端に少なくなったが・・・この他何枚かヨーロッパ盤を購入したが誰かに刺されそうなのでこの辺で・・・(2012/8/14)

Violets for Your Furs

季節に関係なく『コートにすみれを』を聞きたくなるときがある。すると棚からコルトレーンとJRモンテローズの2枚を取り出すことが多い。そして続けてターンテーブルに・・・
この2枚、対照的なレコードでJRモンテローズはお洒落で優雅な都会的演奏をしているが、コルトレーンはなにか田舎っぽい未熟?さを感じるような演奏に聞こえる。(後のコルトレーンを知っているだけにそう思うのかもしれないが)・・・録音もRVGにしては今ひとつ良くなく、人気盤のガーランドの『Groovy』の録音に近い。対するJRモンテローズの録音は優秀でまさに名盤といっても良いが、人気とは裏腹に『COLTRANE』は名盤?だろうか。やはり迷盤である
なぜ2枚一緒に聞くのか?といわれるとJRのSAXがやせて聞こえてしまうぐらいのコルトレーンのSAX音の太さに魅力があるから。なぜか『COLTRANE』はホーンの音だけ飛び抜けて太く、またよく聞こえる。オリジナル盤以外の音は自宅では聞いたことがないがJRモンテローズと一緒に聞くときだけ僕の中では『COLTRANE』は名盤になる。あるレコードに関してオリジナル盤以外聞かないというのはただの自己満足。しかし、ある意味コレクターだけの特権かもしれない(2012/11/12)

レコード・雑談

ヨーロッパの値段が毎週のように違うのは米盤みたいに人気が安定しないからだろうか?タイミングを逃すと高く購入することもあるが、逆に安いことも多い。最近米盤は買うことが少なくなり、興味はあっても購入しなかったヨーロッパ盤を少しずつ、買っているが、きれいな盤になかなかお目にかかれない。『HUM!』は何枚もオリジナルをみるが盤質からか薄いすれでも音に出てしまう。最近ようやく納得のいくレコードを入手したが相場くらいの値段か?それでもヨーロッパ全盛期の何分の一の価格だが。
もう一枚『P.Gonsalves quartet』は少し高く買ってしまった。じつは奇麗なレコードを納得のいく値段で出ていたので考えていたら、わずかな間に売れてしまい悔しい思いをした。偶然同じくらいの盤質のものがユニオンに出たので値段も気にせずに手に入れたが、そのわずかな時間差が5万以上も高い買い物になってしまった。タイミングとは恐ろしいものである

同じヨーロッパ盤でも米盤再発になると極端に安くなるがジャケットの作りはなかなか雰囲気があると思う。
しかし、スタンパーが違うとオリジナルみたいな迫力がなく、キレイな音になる傾向があるようだ。米盤に比べると少し物足りないが、奇麗な盤でも5・6千円以内で買えるので魅力があるし、別ジャケットも豊富なのでヨーロッパプレスのコレクターが多いのも理解できる
同じヨーロッパ再発プレスでも、オリジナルスタンパーを使用しているものは安ければ是非入手してほしい。音質的にはオリジナルとほとんど変わりないし、かえって盤質が良いので米盤と違う意味で音質の良いレコードに出会うこともできる。『WALKIN'』などオリジナルはどんなに奇麗でもチリチリするレコードが多いが、こちらのヨーロッパ盤はバックノイズ的なものが気にならない
さて、最近ユニオンのUS買い付けで大量のレコードが店頭に並んでいるが、残念だがその殆どが駄盤である。しかし中には(ほんのわずかだが)お宝も・・・下の2枚は共に再発版だがオリジナルスタンパーで値段からすると驚くほど音質が良い。そういえば僕のHPを作るきっかけとなったのも安くてよい音をというのがテーマであったのを思い出したが、途中で道がそれてしまったようだ。昔のジャズを良い音で聴きたいというオーディオマニアはこのようなレコードに出会ってもらいたい。最近の日本の再発盤の優秀さには驚くが所詮オリジナルとは違う音の優秀さである。
参考までに、新宿の中古センターで『Saxophone Colossus』は1200円、『The Dealers』2100円・・・オリジナル盤とどのような差があるというのだろうか?(たぶん、その場で比べなければ分からない音質差?)
余談だが、デキシーはほとんど聞かないが『OHIO UNION』だけは聞く回数が多い。これで3回目の入手だがようやく奇麗なボックスが手に入った。でも人気がないからモダンに比べれば格安ですね(2012/11/15)
ユニオン年末バーゲン

恒例のユニオン年末バーゲンが始まった。毎年欲しいものが少なくなり、気合いが入らないバーゲンが多い中、長年キズ盤を聞いている愛聴盤、今回程度の良いものが出るというので前の晩から気合い入りまくり。このような状態になるのは珍しく(何年ぶりだろう?)自分でも驚いている。絶対に一番をとらないと・・・まだ暗い朝5時起床。シャワーを浴びて新宿を6時前に出発、自動車でお茶の水に着いたのは6時20分少し前(あまかった!)、しかも並んでる・・・2人も!!
仕方なく並ぶが涙が出そう。おそるおそる1番の人に狙いは?と聞いてみると他のレコード、続けて2人目はソウルバーゲンのコレクター、思わずラッキーと飛び跳ねる思いはコレクター以外理解できないであろう。とても55歳の親父とは思えない、そのとき知らない人が見たら絶対にキの字の顔になっていただろう。いつもお客に気を使う店員さんが、8時前に来てくれたので早めに隣のマクドナルドで暖をとれた。

・・・欲しかったレコードとは、さて他人からみると・・・

Rita Reys / The Cool Voice of Rita Reys Vol.2

この盤は内容といい、声質といい僕との相性がぴったりと合うヴォーカルで1曲目から楽しむことが出来る数少ないレコード。今まで全く縁がなく、キズ盤は買わない聞かない主義の僕も仕方なくキズ盤を購入して聞いているレコード。日本盤で再発されたがオリジナルとは若干違う独特の音質が僕には会わず、今回までブチブチいうキズ盤で我慢していた。JazzTokyoにも何回か出ているが全てキズ盤。今回は前日たまたま買い取りがあったとのこと。それがブログに載るなり、嬉しくて眠れない状態。ここまでくると執念でお金の問題ではないと訳の分からないことを自分に言い聞かせ、僕にとっては多分2割3割高くても購入したであろう。しかしJazzTokyoの値段は良心的な価格でありがたい。感謝感謝

Tina Louise / It's Time for Tina

予想よりも値段が高かったが、運が良いことにステレオで聞きたかったティナ・ルイスを同時にゲットした。こちらはコンサート・ホールがオリジナルとされているがステレオではウラニア盤でオリジナルだと思う。しかし音質は少し期待はずれで、ステレオ感が・・・音質的には悪くないのだが、よくある初期の不自然なステレオ録音でじっくりと聞くのならコンサート・ホールをお勧めする。失敗失敗(コレクターには涙涙の話もたくさんある訳で)

Barbara Lea / A Woman in Love

あまりにも盤が奇麗だったから思わず購入してしまった。完全な衝動買い、値段も安かったしね。しかし所有しているリールの色と少し違うが、そこまで気にしなくなりつつある。年のせいかな?

レビンソンのレコード

すぐさま新宿に戻りヨーロッパセールに向かうが収穫なし。気になっていたレコードはキズ盤で購入意欲なし。えさ箱にレビンソンのレコードが値下がりで入っていたので購入(1800円)。レビンソンのレコードの中ではごく自然で優秀録音のレコードだと思うが演奏が演奏なだけに観賞用とはいかず、これでは汽笛とか雷のテストレコードのようなもの。まぁオーディオマニアが喜びそうなレコード。(ちなみにこちらは欲しかったレコードではありません)でも、このレコード音が良いですよと勧めてくれた店員さんはすごく若く、レビンソンの名前をよく知っていますねぇと言ったら『あこがれのオーディオです』。正直驚いた(2012/12/10)

完品

別テイクといえば日本のお家芸であったかのように昔からレコードやCDなどで簡単に聞くことが出来る。しかしオリジナル盤コレクターにはこの別テイクを集めることが難しい。オリジナルで発売された別テイクはEPで発売されることがあり、コレクターを悩ませるほど入手には苦労する。有名なEPとしては『コルトレーン/バラッズ』や『レイ・ブライアント』などがある。特にコルトレーンのEPは過去に日本盤BOXの付属品になったり、ヨーロッパ盤もEP単体で発売されているが、やはりオリジナルEPのRVGの音を聞いてしまうとその差が明らかに違い、コレクターには、たかが別テイクとはとても言えない。これらのEPも同時に所有してオリジナル盤の完品と認識するコレクターも多い(2012/12/28)

コルトレーンのバラッズのEPはベテランコレクターでも難しい1枚で、昔アメリカのオークションでかなりの金額で入札したことがあるが落ちなかった。最近ユニオンで入手したが、それでもみる回数は圧倒的に少ないEPだと思う
このレコードはサンプルの白いラベルで見ることが多いEPで、ユニオンでもEP付きセットで2回くらい見たことがある。比較的入手しやすい?かもしれない

・・・・・ちょっとめずらしい?じゃず・レコード盤??? Vol.35に続く・・・・・

高価ではないが珍しい?最近見かけなくなったレコード、少し珍しいオリジナル盤、音質の良いレコードや、何か面白い?話などを紹介しようと思います

気ままに更新していますので、時々また馬鹿なことを書いているなぁなどと見ていただければ幸いです