ちょっとめずらしい?じゃず・レコード盤??? Vol.28

朝、突然激痛が走った。うひゃ〜とうとう来たか・・・そう腰痛、以前から予感はしていたが、とうとう救急車で運ばれることになってしまった。幸いニート中の僕には別荘気分(というと怒られるか?)なにしろ腰以外は元気で、きれいな看護士が世話してくれるし、外科だから患者も明るく、それ以上に飯がうまい!
さてさて白衣の天使とはよく言ったもので、まるで自分のためにきれいなお姉さんたちが一生懸命世話をしているように錯覚するから面白い。これでは僕のような野暮な男が淡い恋におちるのも無理は無い。しかし今回女性部屋のまえの部屋で分かったことだが、白衣の天使たちは、実は男性よりも女性の患者のほうがもっと優しいのだ。しかも今廊下で厳しく後輩に指導していたお姉さんが病室に入るとたちまち天使の声に変わる、そう彼女たちはプロに徹している。あなたのために尽くしているという姿勢を全ての患者に魅せるのはまさにプロ中のプロで厳しい条件の中働いている看護士たちに頭が下がるおもいでいっぱいであった。
この病院、表面的には携帯もインターネットも駄目だけど思いっきり全ての患者が使用しているので、退院するまで飽きることはなかった。いや本音を言うとあと少し居ても良いくらい・・・と楽しんでいる間にユニオンでEP盤の「オーバーシーズ」が発売されることになり、腰重く退院することに・・・そういうわけでセールも更新もお休みしていました。


TOMMY FLANAGAN TRIO

今回ユニオンから発売されたオーバーシーズはオリジナル使用のEP盤でしかも未発表曲もEPにするなどにくい演出でBOXがまた豪華!(BOX、EP5枚組み)
音質的には今回のユニオンEP盤はなかなかの出来だと思う。ハッキリ言うとオリジナルEP盤は中域が太く質感的には悪くないが、いわゆるハイファイではなく少し聴きづらい。反面、プレスティッジのオーバーシーズはスカッとモヤが取れたように晴れ晴れとしている。今回のユニオンのEP盤はちょうどこの中間あたり(厳しく言うとRVGに近く)で聞きやすく値段を考えても購入して損はない。

コレクター的に見るとオリジナルEP3枚よりもプレスティッジの方が珍しい。アメリカで当時無名のトミフラが売れるわけもなくプレスティッジの中では最小プレスといわれていて、業者間でも現在一番入手が難しいとされている。一方オリジナルEPはヨーロッパでそこそこ売れたようで実際にバラで買ってそろえるとプレスティッジの1/2〜1/3で買えるからなんとなく不思議に感じるが、音質を考えるとプレスティッジを求めて当たり前の結果か?
こうなるとRVGカッティングのオーバーシーズの音質はますます貴重になるかもしれない。この音質は今までの再発版では聞いたことの無いほど独特で当時のバンゲルダーの感性の凄さがわかる一枚に仕上がっている(2008/6/19)


未発表もEP。ジャケットもオリジナルに忠実

オリジナルEP
ラベルもオリジナルにして欲しかったが版権の関係で駄目だったらしい
TEMPO

所詮、ヨーロッパのモダンはアメリカの物真似。などと陰口を言っているが、それでもアメリカミュージシャンと同等以上の出来のアルバム、プレイヤーがいることも事実である。しかし、どうしても5、60年代アメリカが追いつけないモノがある。それが録音、カッティング技術である。バンゲルダーのような個人的に有名な録音技術者もいるが独特の世界であり、また時代によっては音質が安定していないこともあり、これが個人の限界ともいえる。TEMPOは英デッカの作品(プレス)であり(クラシックファンには有名なことであるが)5、60〜70年代にかけて最高の音質を送り出していて、そのデッカ・カッティングの音質管理も世界一と言ってもよいだろう。TEMPOはヨーロッパ盤でも人気があり、とても高価でおいそれとは手が出ない。しかしデッカプレスのオリジナルTEMPOに詰まっている繊細かつ豪快な音質を聴ける醍醐味はヨーロッパ・コレクターにしか理解できず、最近の再発盤の出来がよくとも、これを抜く音質は不可能である(2008/7/21)

コレクターの一瞬の判断力

コレクターが集まる廃盤セール、短時間に多くの枚数を抱え込む。ふつうの人から見ると異常な世界で近寄りがたい。しかし手に取った瞬間にオリジナルかどうか見分ける強者も多くただ単にバタバタと取っているわけではない。たとえばレコードを観なくともジャケットだけで判断できる場合も多く、下の「kenny drew trio」の場合オリジナル・ジャケットの文字は3色(グレー、オレンジ、パープル)だが再発ジャケットになると2色(グレー、オレンジ)になる。このような微妙な違いの判断を一瞬で見分ける(何の役にも立たない)知識を持っているのがジャズ・コレクターである。う〜ん、実にオクがアサイ?コレクターを皆さんで笑いましょう(2008/10/23)

コレクターの嘘

そりゃ高価な買い物をするのだから言い訳はいくらでもあるだろう。誰に言い訳するの?と言われれば、まず自分。それから連れ合い。などなど、(オーディオでもほぼ同じ)「オリジナルだから音がよい」「ジャケットの鮮度が違う」「手に持った雰囲気が全然違う」・・・と、自分自身納得しなかったら数万から数十万円もするレコードなど買うことなど絶対に無理だ。

たしかに一部オリジナル盤には(ヴァンゲルダーなどのように)カッティングの魔術師と言われている人がいてマスターテープの音とレコードの音の差が大きく、復刻されるたびに音質が違うレコードがない訳ではないが、アメリカと違いマイナー会社が少ないヨーロッパ盤などは、マスターの音にほぼ忠実なカッティングが行われているために、復刻されても音質差を感じないことが多い。

昨日もオリジナル盤がでたら20万円以上はする(※)ヨーロッパ人気盤がディスクユニオンから発売されたが全く音楽知識のない(嫁さん、恋人など)身近にいる人に聞かせてもオリジナル盤と復刻盤の音質差は(カッティング・レベルの差はあるかもしれないが)感じないだろうし、ジャケットに関しても写真の荒さはあっても、この微妙な差が数十万円とは絶対に信じられないはずだ。最近の良くできた復刻版の前ではコレクターは嘘をつく以外、自分自身納得させることは出来ないのかもしれない。でもこれからオリジナル盤を買おうという人にハッキリ言おう。最近復刻された質の高いレコードを買いなさい。そして残りのお金を恋人とおいしいものでも食べなさい。その方が幸せになれると(2008/10/24)
※一部熱狂的なコレクターの間だけで幻の名盤と騒がれているが、復刻されればふつうのハードバップ

雑感・あ〜ぁ不景気ですね

「昨年、会社を止めなければ十分な退職金も従業員に払えなかったことだろう。」再就職はうまくいっていないらしいが、昨年辞めた店長が久しぶりに訪ねてきてこんな話をした。こんなに不景気になるとは予想もつかなかった。僕も海外投資で資産が半分になり、笑えない状況・・・。これではオーディオ、廃盤レコードなど贅沢品は真っ先に売れなくなるのは当然で(いまだに勘違いしている輩・ショップが多いが)ヤフオクでも高額商品は鼻で笑われているだけの状況になってきた。
あがりすぎたレコード廃盤価格。売れないのも当然の状況でユニオンでもなぜ、あんな値段で買い取れるのか?値付けできるのか?と余計な心配までしてしまう。結局のところキズ盤など、いくら名盤でも価値はないし、名盤以外は二束三文の価値でしかなく冷静に考えれば判ること。ほんの十年前はブルーノートでも人気盤以外は5000円もしないで買え、相場で言えばユニオンでも3800円というのが普通だった。LNPだって人気が一番なかったとき40万でも売れない時期があり、保証なしの現状販売の今の価格が異常だということがよく分かるだろう。これは珍しい!とのうたい文句は値段が珍しいだけの文句に変わってきている

オーディオでもレコードでも今の価格は異常だということがよく実感できる。いつまで強気の商売ができるのか?そういえば最近ネットで大幅値下げとオーディオ・ショップがたくさんの機種を並べていたが、どれもこれも二束三文の機器。まだまだ勘違いしている業者が多いようだ

最近ブログで見かけたサキコロのジャケ。久々手に入れたいレコードと思っていたが先週のユニオンのセールで運良く出てきた。購入額は4000円と手頃感があるが、肝心の音質はライダーキックを浴びせてあげたいほど、ぼやけた音。まぁジャケ買いだから仕方ないか・・・古い知人からサキコロの再発がほしいと言われて「OK」したが段ボールから探し出せない。仕舞うときに段ボール箱に札をつけとくべきだったと後悔している。1/3は見終わったが、まだ時間がかかりそう・・・この場を借りてお詫び申し上げます(2008/11/11)

CARPENTERS

僕には長年こだわり続けている「音」がある。それはカレン・カーペンターの声だ。高校一年の時に名盤と言っていいだろう「Now & Then」を聞き、その歌声に魅了され・・・当時は僕の周りではハードロックオンリーでポップスなど相手にされず、隠れながら聞いていたあの頃が懐かしい。しかし、そのこだわりは今でも続いていて、レコードはUS、UK、日本盤。CDに至っては国別以外にリマスター盤や高音質盤まで可能な限り聞きまくったが、結局のところ現在でも僕はレコードUS盤以外カレンのヴォイスに納得できないし、PCオーディオに開花した現在でも、その「音」はレコードUS盤以外聞けない。

なにしろカーペンターズのレコードやCDは安い(1000円以内)のと中古市場で豊富に在庫があるのでこんなことが出来るのだと思うが、オーディオマニアって“ケーブル一本プラグ一本”の音質にこだわるくせに高音質CD、リマスターCD、高音質重量盤などの宣伝文句を疑わずに【これが現在手に入る最高の音質と】リファレンスにしているマニアも多く、これではレコードマニアなどに(一部のオーディオ評論家を含め)馬鹿にされるのは当然だと思う。ブログやWEB では数百万の機器で聞いています。というオーディオマニアが多く存在するが、音源にこだわる人は意外に少ない。プレスのたびに音質が変わるCDやレコードのことをもう少し知らないと最高の音質を得られないし、レコードマニアから見ると数百万の機器がもったいないと思うオーディオマニアも多く存在する(2008/11/15)

CLIFFORD JORDAN IN THE WORLD

健康も考えて、ほぼ毎日新宿まで徒歩で通っているが必ず通る場所がある。毎日のようにいろいろなイベントを行っている西口の地下広場で昨日も中古本市をやっていた。なにげなく覗くと、まるでゴミのような扱いで置かれていたジャズと書かれた箱が目に入った。中古本市でジャズとは珍しい。と観ると案の定、くだらないレコードばかりと思いきや「CLIFFORD JORDAN IN THE WORLD」が・・・しかも3000円と他のレコードの2倍以上の破格な値段!!おやおや聞かれてもいない様子のオリジナル盤。高いといっても中古店の買い取り価格「しめしめ」と思いながら購入。

CLIFFORD JORDAN IN THE WORLD」は最後期のジャズ喫茶のヒット作品でリクエストも多く当時は人気盤だった。人気があるのはウィントン・ケリーの最後期の演奏が聴けるところにも起因しているのか?僕はそれほど名盤とはおもわないが今現在でも人気があり高価な値段で取引されている。再発盤も出ていてオリジナルを求める人も多い。団塊の世代御用達のレコードの1枚であろうか(2008/11/29)

そういえば最近ネットでオリジナルの定義が書き換えられている。もしくは意図的に操作している業者などの書き込みがネット上で多く、惑わされる初心者がいることだろう。あるオーディオショップと連携しているレコードショップなどではオーディオマニア向けに再発盤を詳しく解説し高価な値段で売りつけている。再発盤における音などにも一方的な書き込みを信じるのではなく、正しい知識を身につけていただきたく、注意を申し上げる

BLUE NOTE

都内にいるコレクターにとっては恐ろしいユニオン年末のセールがはじまった。札に羽が生えているごとく消える大型セールが12月は目白押しである。その第一弾の新宿ユニオン・ブルーノートセールが今日催された。しかし9月からのこの不景気・・・さすがに朝早く並ぶ気にはなれず整理券配布直前に店頭へ。整理券9番・・・開店時には30人以上並んでいたがさすがにブルーノートセールは凄い。しかも渋谷でもブルーノートセール同時開催でこれだもの。収穫はなかったが鬼のように高額商品が消えていくブルーノート・レコード、この不景気に購入している人は大金持ちか独身か?職業を一人一人聞いてみたいものである。

ブルーノートはよく研究されていてオリジナルにこだわるコレクターが多い。「レジスターマーク“R”」住所、溝にこだわると意外と入手が難しいものが多い。とくに住所、溝の有無などの境目であるレコードあたりが難しい。ROLL CALL(4058)、JACKIE'S BAGS(4051)、※UMDERCURRENT(4059)、WHISTLE STOP(4063)の両溝など、例を挙げればきりがないし、さほど入手困難とは思わないレコードだが、完全オリジナル盤だと何年経っても入手できないレコードがたくさんある。ブルーノートを番号順に集めているコレクターはたくさんいるが完オリで全て所有しているというブルーノートコレクターに出会ったことはない。(2008/12/6)
※所有していないがボクの知る限りアンダーカレントの両溝は一度しか市場に出たことがない

BOHEMIA AFTER DARK / KENNY CLARKE

以前から気になっていたBOHEMIA AFTER DARK / KENNY CLARKEのセカンドジャケットを入手した。やはりセカンド・ジャケットが一番かっこよい・・・と一人で満足している。完全にジャケ買いだが同じレコードを2枚も3枚も・・・コレクターは困ったものだと家族もあきれ顔?(2008/12/6)

レコード蒐集

レコード集めは切手集めみたいなもので、シリーズを順番に並べていって満足する幼児と一緒。別に何の努力もいらないので自慢にもならないのだが、なぜか自慢したがるコレクターが多い。(ほとんどの趣味に当てはまるが)少しの知識とお金さえあれば、すぐにでも一流のコレクターになれるほど奥は浅い。
そういえば関東在住の大金持ちでここ数年でたぶん、日本一のジャズレコードコレクターになった人がいるが、お金さえあればたやすいこと。店頭で「俺はすごい」と言っているようなベテランコレクターも金持ちにはかなわない。お金がふんだんに使える身分でないほとんどのコレクターは足を使い20年、30年とレコード店を歩き続けることになる。そしてお目当てのレコードが見つけるとささやかな幸せをつかむ、これはこれでお金持ちには味わえない気分かも知れない。(←負け惜しみ
さて、世の中のブルーノート異常人気に背を向けて私的にプレスティージ、リバーサイドのレコードを集めている。欲しいレコードの八割以上は集めたようだ(自慢?)。ブルーノートの無謀な価格からするとまだプレスティージ、リバーサイドの価格は常識的で、その中でも価格的に一番といわれるオーバーシーズやサキコロなどの人気盤は運良く安いときに購入していて残りは比較的安いレコードが多く助かるが、なかなか美品が出てこない。しかも完オリで状態が良いものとなるとさらに難しい。現在ブルーノート人気は価格的に異常だが、その他のレーベルはまだまだ(価格が)常識的なものが多く、コレクターやショップが目を向ける前に購入するのもベテランコレクターにしかできない【技】なのかもしれない
最近日本人ジャズやヨーロッパは極端に人気がなくなっている様でレコードにも流行がある。買い集めるには見極めが重要。何枚も同じレコードを買い換えてコレクションの品質を上げていくのもボクの楽しみ(200812/17)

・・・・・ちょっとめずらしい?じゃず・レコード盤??? Vol.29に続く・・・・・