ちょっとめずらしい?じゃず・レコード盤??? Vol.36

雑感

最近は良いレコードに巡り合わない。頻繁に行く新宿のユニオンでさえ買取が極端に少なくなっているようだ。さらに(値段は安いが)盤質は最悪で手には取るが購入までには至らない。そんな中でもユニオンはまだ良質な業者である。ヤフオクは、そのほとんどが業者、もしくは小遣い稼ぎの同類者で溢れかえっているのが、ほぼ真実なのではないのか? 先日もユニオンの餌箱で安いなと思ったレコードが翌日に同類のレコードが出品されている。それも頻繁に・・・別に個人が小遣い稼ぎをしようが構わないが、僕としては許せないのがその盤質。どこをどう見れば美品なのか?どのような針を用いればノイズがしないのか?どこがレア盤なのか?地方でレコードが気軽に手に入りにくい人には悪いが、現状のヤフオクの高価なレコードには手を出さない方が懸命だと思う。と、いう僕も僕も散々騙されて2年くらい前にヤフオクを使わなくなってしまった。もしも地方在住の方であればユニオンに電話で問い合わせる方が賢明だと思う。在庫があると親切に状態を教えてくれるし、信用もできる。新宿、御茶ノ水の対応は特に良いので、地方の方は電話で問い合わせても損はないと思う。

と言っても僕はCDの音よりもレコードの音の方が好きで好きでたまらない。ゴールデンウィークにはど〜ん!と出してはくるであろうが、最近ユニオンの出品が少ないながら購入を続けている。

RED GARLAND / CAN'T SEE FOR LOOKIN'
DAVE BAILEY / GETTIN' INTO SOMETHIN'

この2枚のstereo盤は初めて聴いて(mono盤は所有しているが)久々の当たり!特に EPIC のstereo録音は凄く、『 THE WARM SOUND / J.COLES 』と並んで優秀録音だと思う。この年代のstereo盤の良音質盤を見つけると一日中楽しい音楽に浸れる。しかし当たるのはごく僅かだと言うことも知っていてほしい。その場で視聴できるユニオンだから安心して購入できるわけであり、視聴できなければ購入しない方が無難。

THE CHASE & THE STEEPLE CHASE / W.GRAY & D.GORDON

手に取るレコード全て全敗だった『THE CHASE & THE STEEPLE CHASE / W.GRAY & D.GORDON』
本物を所有したことがないが、UK盤の綺麗なレコードを手に取り聴いてみたら僕にとっては実に良い音。3000円だったし、音も満足でこれでオリジナルを購入することはないと思う。(もしかするとオリジナル・スタンパーかもしれないが確認していない)

LITA ROZA

僕のヴォーカルの好みは極端で、ちょっとハスキーでキュートな歌声が大好きで、キンキンしたような声はほとんど受け付けない。ユニオンのセールで『LITA ROZA』が安く出ていたので聴いてみたら好みに合う。しまった以前オリジナルのDECCAを入手できるチャンスがあったのに・・・と悔やんでも遅い。それがレコード蒐集だ。また機会があれば手を出してしまいそうなレコードである

LUNCHCONCERT / W.BREUKER

最後はフリー・ジャズ。今となってはほとんど聴かないが、このレコードのうち袋が欲しくて購入したが、捨てられているようなな値段であった。所有しているオリジナル盤はうち袋が白の袋に入れ替えられている。緑のうち袋に入っていて初めてオリジナル盤といえるが、いまさら・・・と想いながら購入してしまうところが、まだまだ初心者のコレクターであると、しきりに反省
初期 ICP は手作りジャケットが多く、このジャケットも変形ジャケットの一つ。ジャケットそのものに手回しオルガンの音階用の穴が開いていて、うち袋の緑で強調されている(2013/3/24)

CD再生

レコード再生だとsax中心なのに、なぜかCD再生ではsaxだけが、しっくりとこない。というのが現状の僕の装置でのCDの感想だ。PCオーディオを始めてからCD再生が面白くなり、ここ5年で新譜を中心に2000枚くらい購入した。(5、60年代のCDはガッカリすることが多いので購入していない)パイオニアのピュアリードとXLDを組み合わせたリップが気に入って最近になってCD独特の透明感に気づき始めた。しかし、どう再生しようがレコードに比べsaxの質感?だけは気に食わない。試しに90年頃の同じLPと聴き比べもしたがCDの方は装置が悪いのか?僕の耳が悪いのか?うまく唄わない。とうとう購入するCDの9割方がピアノトリオとなってしまった。それでもピアノトリオの新譜の量が中途半端ではないので、それなりに楽しんでいるが。新宿ユニオンの新譜売り場に行くと入荷したものを日々教えてくれるし、購入するCDは中古であれ、新譜であれほぼすべて聞いて購入できるので、入手したCDに極端なハズレはないように思う。
音楽関係オーディオ関係の本は殆ど読まないので何の知識もなく、最新CDの世界に入ったが、今から思うと逆に知識がなく僕の感性だけで購入してきて良かったと思っている。後からレア本とか定番の本を読み、僕にとっては内容は玉石混交。地方の人には気軽に購入するショップや情報がないので仕方ないと思うが、僕には参考にならないし、記載CDに高価な価格がついていることに納得がいかない。録音に関しては悪いものを探すのが困難な状態。演奏的には5、60年代のように、これだという面白いものはないがBGM的に聞けるスタンダード中心に聞いていて、そのたぐいのCDならば優秀録音CDを100枚くらいはすぐに書き出せると思う。
抽出されたデータはnasにaiffファイルで置いているがweb上のジャケットが気に食わず、1枚1枚写真に取り600×600でファイルに貼り付けている。気になる高価なレア盤に関しては再発が出るまで気長に待つことにしている。再発盤で音質が悪くなったという経験がなく、逆に聞きやすくなったものもあるからだ。主にmacminiを寝室や事務所、オーディオ部屋などに置き楽しんでいる。再生ソフトのヴァージョンが変わるたびに音質が変わるソフトもあるが、最新のiTunesだけでも十分な透明感が味わえるので、その日の気分によって再生ソフトを変えて遊んでいる。レコードしか聞かないのですか? とよく聞かれるが、少しはその答えになっているだろうか?

ちなみに600×600だとこの位の大きさになる。上はピアノの音が上質なCD
優秀録音のピアノトリオで迫力満点
きわめて上品な雰囲気の録音
上の2枚はピアノトリオではないが優秀録音CD。SWEET'N LOVELYはVOL.1も同じ音質
最近のCDだが録音とは関係なくキュートな声にはめちゃ弱い
上の2枚はレア盤らしいのだが(たまたま安く買ってあったもので)優秀録音でもないし、内容的にも平凡だと思うが・・・レア盤の世界はよく分からない。レア盤自体あまり持っていないのだが、今後再発されて内容が良ければ購入すると思う。そういえば最近レアグルーブの本が出ていたが、(その他同類の本の)記載レコードやCDなど不思議と値が上がる。記載されている推薦盤の全てとは言わないが、内容的に本当に楽しむことのできる音楽なのか僕の理解を遙かに超えた世界であり、このような本が出るたびに価値と価格を考えさせられる
新譜中心ではあるが、ごくわずか例外もある。普段は没になった演奏にはあまり興味がないが、MOTION / LEE KONITZ だけは聞いてみたかったCDであった。しかし”没”となった演奏が聴ける*輸入盤(3枚組)は廃盤となっていて気づいたときには入手困難。ユニオンで4000円くらいで購入できたが、”没”演奏にそんなに出せるかと、待っていたかいがあったのか、ユニオンの中古センターで1600円。この3枚組に関する内容はネットで検索すれば詳しくわかるので、ここでは触れないが、聞き終わった感想は、やっぱり!
なぜこんな凄いアルバムができたのか”没”になった演奏を聴いてようやく理解できた。
(2013/4/3)

*国内盤は出ていない

Solo Monk

名盤か?迷盤か?どうもジャズを聞いている人たちは専門誌や評論家などの書くことに左右されやすいと感じるが、一番は自分にとって気持ちのよい音楽であるかどうか。それだけであると思う。名盤といわれるレコードやCDなどはジャズの聞きはじめの指針にはなるが、ある程度のジャズを聞き込んだら名盤という言葉は忘れた方がよいと思う。オーディオも同じだが他人に聞かせるのではなく自分が如何に楽しむかが重要であり、コレクターに多いが、自慢するために所有することの幼稚さが何故か我慢できないので、僕にはオーディオやレコードコレクターでお付き合いがあるの人は片手くらいしかいない。
さて、MONKは下手、上手い、好きだ嫌いだと聞き手によってずいぶんと評価は分かれると思うが、チャーミングで可笑しく、それでいて何処か悲しいMONKが僕は好きで、特に Solo Monk は聞く機会が多いレコード。コロンビアは録音優秀な作品が多く Solo Monk も例外ではない。大手のコロンビアはジャズといってもスタンパーはある程度同時に作っているはずだから1Aも1Bも音質には関係がないと思うが、所有している Solo Monk のピアノの音が若干ではあるが違う。スタンパーが1A/1A(オリジナル)と1B/1B(2ND)ではラベルも違うが質感も違うのは、多分はじめの方にプレスされたか終わり(すり減ったスタンパー)にプレスされたかの違いであると考えられる。ソロピアノだから気づきやすいのかもしれない。

このSolo Monk で驚きの音質にであったのはUK盤 Solo Monk でピアノのタッチ一音一音飛び出してくるようなすばらしい音がする。もしかするとUKデッカの工場でのプレスかもしれないが、驚くような美音だ。そして、このUKプレスを聞くと Solo Monk は絶対STEREOのほうが楽しいと感じる。(自惚れかもしれないけど、このHPを読まれている方は多くはないと思うが 、どうも記載レコードが市場価格に敏感に反応するようだ。US盤もそれなりに優秀な音質なのであまり焦って購入するようなことはしないでください。僕にだまされて、高価なものを買わされてしまいますよ)

上はオリジナルより良好な音質を聞かせてくれたUK盤
上がオリジナル・ジャケットとオリジナル・ラベル。コロンビアはジャケットの端にナンバーが印刷されているが 1st が "1" で2nd が "3" 。1st の方が色が若干濃い。先に書いたようにマトリックスは 1st が "1A/1A" で 2nd が "1B/1B" (2013/4/10)
DIZZY ATMOSPHERE 〜その後

僕が DIZZY ATMOSPHERE を入手したのはコレクターになった初期の頃だと思う。ある店主がこれ(溝なし盤)でオリジナルだよ。というので、その後、疑うこともしなかった。当時 stereo 盤は相手にもされなかった時代で pink ジャケットがステレオだと思い、検盤すらしたことがなかった時代であった。
時代が変わり、僕も少しばかり知識が増え、HPを始めることになるが、当初、*掲示板で溝はありますよと教えられ、正直愛聴盤だっただけに焦った。僕が始めた頃のレコード蒐集など専門店の店主の知識さえ、そのようなもので、今から思うとだました訳ではないけれど80年中期に新宿大久保 vintagemine が出店するまでオリジナルという名の曖昧な知識がまかり通っていた時代であった。(*掲示板はヤフオクの個人業者?に利用されかけたので中止した

その後、溝ありのオリジナル盤を探すことになるのだが、手に取って見るレコードはことごとく"カゼ"をひいていて、試し聞きしても到底(カゼをひいていない)溝なしの再発盤の音質にかなうものではなかった。stereo 表記されている pink ジャケット盤も大なり小なり同じカゼ盤であった。探している途中、ネットで pink ジャケット盤 がオリジナル。と何処かのコレクターが調べたようで、その後確認したら当時のカタログからの発見だったようだ。調べた訳ではないが、ここで少し疑問が残る。

1. stereoと信じられてきた pink ジャケット盤も green ジャケット盤も同じモノラル盤である。 pink ジャケット盤の表記 "stereo-natural sound" がステレオのような自然な音質ということらしいが、pink の1957年発売当時、ステレオ装置さえ普及がおぼつかない中で、わざわざ "stereo-natural sound" などと宣伝するだろうか?(ステレオ装置が一般的になった60年以降だったら理解できる。だから疑似ステレオなどが登場した)
2. レコードカタログはご存知のように順番に発売されたというようなことはなく、また発売されぬままカタログに載ってるレコードもある。その中で 先発の pink (5001) が後発のgreen(2110)と、なぜカタログ番号が若くなったのか?
3. 不良剥離材によるカゼ盤はちょうど60年頃から増え始める。ならば57年発売とされている pink ( green は60年発売とされている)にはカゼ盤はほとんどないはずであるが、green同様にほとんどがカゼ盤であるのは何故か?
4. そして、ここが一番の疑問だが裏ジャケットのメンバーの写真で pink の方が暗い部分がつぶれている。この意味はブルーノートのコレクターだったらよくわかると思うが...
何も調べないでネット記事を読みながら、素朴な疑問が思い浮かんだだけなので...ゴメンナサイ

と、今更 pink が green が、どちらがオリジナル?といってもカゼ盤では意味ないので溝ありのカゼ盤ではない完全なレコードを探すことが先決。そして最近、pink ではじめてこの完全盤を見つけることができた。あとは green 盤を見つければ僕の "DIZZY ATMOSPHERE" 探しは終わる。実際の話が、溝なし盤が今のところ、一番音質がよいようである。

以前から書いている通り、僕のオリジナルの認識はその後の音質の基準となるもの。決して音質の優秀さとは考えていない。しかしその後のプレスでは音質劣化が認められるレコードやCDが多いことも事実。ネットで情報が入る今日でさえオリジナルに対する考えが曖昧なことも多く、専門店の店主などにはその時代を経験したかのように話をする人もいる。疑問は多く、あれほど研究されているブルーノートでさえラベルの住所に関して疑問が残るし、プレスティージの初期フラットなど納得いかないことも多い。オリジナル盤に関してはまだまだわからないことが多く、現在持っている知識もその多くは先輩たちの経験上の予想でしかないことをここに記しておく。(2013/4/19)
意気消沈

ゴールデンウィーク・バーゲン前から今年は廃盤の集まりが悪いと、どこの店員さんに聞いても言っていたので期待はしていなかったがGW前に配布された冊子を見ても目玉がないとガッカリ。それでも初日はお祭りだからとお茶の水に並んだが収穫はゼロ。 早くもユニオンGWセール敗北宣言! 28日以降、GW期間中に興味のあるレコードがないので早くも年末に期待。ユニオンさん年末こそは期待してますよ!(2013/4/28)

GWバーゲンでの出来事

今日は新宿でフリージャズ・セール。暇だったので11時ちょうどに行くと15人くらい並んでいた。へぇ〜!フリージャズ集めている人いるんだぁ... と感心して一番最後に並んだ。目的があったわけではないが、以前傷つけてしまったレコードが残っていれば買い換えでもしようかなと、冷やかし程度の感じだった。70年代初期のフリージャズは思い入れがあり、聞かないけれど手元に残してある。ちょうど1・3番の人はフリージャズ・セールで知り合ったコレクター。数年前から僕がフリーをほぼリアルタイムで集めていたと店員に聞いたらしく、知り合った頃は盛んにオリジナルかどうか?聞いてきた人だ。1番に並んだ高尾に住む外人の気さくなコレクター。僕が買い換えようと思っていたレコードを最後に入店した僕に気持ちよく譲ってくれた。彼が探しているフリー(主に初期 ICP、INCUS、日本人フリーなど)は複数所有しているので、ICP001、007/008(チョコレート・ボックス)、高木元輝を差し上げますよと約束してその場を離れた。
基本的にコレクターが複数所有するのはトレードのためで、僕はお金での取引はほとんど経験がなく、今回もいまさら聞かないフリージャズを何枚も持っていてもと気持ちもあり、それ以上に、ためらいもなく「どうぞどうぞ」と渡してくれた彼に感謝をしたかった。まぁ、この年になるとお金の問題でもないし...

今回譲っていただいたレコードは『ヨーロッパ・フリーの夜明け』と言われている名盤。僕もこのレコードに会わなければヨーロッパ・フリーに目覚めることはなかったと思う思い出の強いレコード。今となっては懐かしいが聞くたびに新鮮な気持ちになる不思議なフリージャズ・レコードである (2013/4/29)
収穫のなかったGW

今年のGWユニオンバーゲンは予定通り?収穫ゼロに終わった。今回のGWセールはほとんどのベテラン・コレクターは(僕はベテランではないが)僕みたいに収穫がなかったのではないのか?というほど目玉がなかった。セール中、綺麗なレコードは何枚か手に取ったがこの値段だったら何時でも手に入るという値段で焦って購入するほどのレコードでもない。モダンには珍しいレコードはなかったが、フリーでは市場で売られているのはおそらく初めてというレコードがあった。興味はないので、もちろん見ただけだが...
僕的に面白かったのはCDピアノトリオ・セール。内容も知らず見たことのないCDを全て聞いて選別したが、新宿、お茶の水だけで45枚も購入してしまった。軽く聞き流せるスタンダード的な演奏のCDばかりだが、値段も安く将来的にも本に載るようなCDではないが、なぜか誰も振り向かないようなCDで気に入った演奏を見つけ出すと、レコードを始めた頃のように楽しい。
それでも5日最終日のお茶の水セールで値段が安かったのと盤が綺麗だったので無理矢理3枚だけ入手。←これは収穫とはいえない

BLOWIN' THE BLUES AWAY / H. SILVER

ステレオ盤は所有していなかったので購入。裏ジャケットの記載住所が63rdなのはstereoでもこのあたりまでだと思う

FURTHER EXPLORATIONS BY THE H. SILVER

こちらも針を落としてしまい傷盤の買い換え。何時でも入手可能と何年もほったらかしのレコードだったが、こういう機会じゃないと買い換えできないレコード。ラベルにシールが貼ってあるが盤は綺麗だったので、おもわず購入してしまった

McLEAN'S SCENE / J.McLEAN

こちらは完全な再発盤。たまたまオリジナルのカゼ盤を所有しているが聞く気もしない。カゼひき無しの再発盤のほうが断然よい。綺麗なオリジナルが出るまで、この安い再発盤で満足。これら3枚を家に帰り、つんざくような爆音で聞くとRVGの凄さを再認識でき身が震える。この辺が良くできた最近の再発盤との違いであると感じる (2013/5/6)

・・・・・ちょっとめずらしい?じゃず・レコード盤??? Vol.37に続く・・・・・