ちょっとめずらしい?じゃず・レコード盤??? Vol.25

PABLO

パブロレコードは主にドイツ盤で購入している。最近ドイツ盤と言うだけで高価な値段が付けられているが、ほんの少し前まで一部の人気盤を除いては米盤と殆ど変わらない値段で入手できた。そのときに何となく買っていたが気がついてみると100枚以上はあるようだ。ドイツ盤の魅力はテカテカにコーティングされたジャケットにあり米盤のジャケットとは比べものにならないほど魅力的でコレクターの心をくすぐる。しかし、音質的にはドイツ盤、米盤それぞれ魅力的でジャズ的な音を求めるのなら米盤を購入すべきである。最近ドイツ盤に比べ米盤は人気が無く、ユニオンでも米盤は例え人気盤のズートであっても千円台で購入できるはずで、今が米盤の買い時だと思う。ドイツ盤の音質は以前にも書いているが独特の透明感のある音で米盤みたいな力強さはないが一音一音聞き取れるオーディオで言うと「音場的」な音。
さて、長年どうしても見つからないパブロレコードがある。85年録音の「The Eternal Traveller」。このレコードは個人的にペテルセンの傑作であると同時に優秀録音盤であると思う。所有しているレコードは米盤だがやはりヨーロッパ録音のためか独特の透明感が残っている。このペテルセンのベースの質感はスティープル・チェイス等で聴かせるそれとは驚くほど違う。ベーシストがリーダーになるレコードはどうしても野暮ったくなるものだが、このレコードは楽しませてくれると言う意味では一級品。どうしても欧州盤を聴きたく毎日中古レコード店に出向くが未だに縁がない・・・コレクターには縁がないレコードが1、2枚は必ずあるものだ。この頃のパブロは欧州レコード会社の版権を買い取りパブロレーベルで出しているのでオリジナルは勉強不足のため不明であるが、まぁゆっくりと捜すことにしよう (2006/10/12)

FREE JAZZ / FRANCOIS TUSQUES

フリージャズの名盤???モダンジャズしか聴かない人には笑われるかもしれないが、名盤といわれるレコードは少なからずあり60年後半70年前半に集中している。なかでも60年代に米前衛の影響を強く受けたヨーロッパ(イギリス)のミュージシャンが録音して「ヨーロッパ・フリージャズの夜明け」などと言われるレコードも存在する。
「FREE JAZZ」もフランス・フリーに多大な影響を与えた作品として名盤として讃えられる1枚である。コレクター的に言うとこの種のレコードは金額があって無いようなもので、安くは2万円から高いと10万円を超すから訳が分からない???
さてこの時代ティスクが発表したもう一枚、掲示板でも以前話題になったバルネが参加しているレコード「LE NOUVEAU JAZZ」がある。この2枚、は未だにコレクターには人気が高いが、本音を言うと、当時のフランス録音(カッティング?、盤質?)として、普通よりもやや劣るような気がしてならない。というのも「FREE JAZZ」はCDの再発の方が聞きやすかったし、「LE NOUVEAU JAZZ」は掲示板の話題直後に運良く入手したが、日本コロンビアが発売した日本盤レコードの音の方が聞きやすい記憶が強い。しかし残念なことにCDもレコードもどこかの段ボールに入ったままいまだに行方不明であり、確実に聞き比べてからと思っていたが最近更新もしていないので申し訳ないが「記憶」で書いている。まぁオリジナルの値段を出すほど、音質には価値はないが歴史的証拠(特にFREE JAZZ)としての価値は十二分にコレクターにはあるのだろう。(2007/3/9)

GUITAR SOUL

最近ユニオンから送られてくるリストを見るとレア!!、激レア!!!殆どすべての廃盤に書いてある。しかし激レアというわりにはユニオンに行けば何時でも見られるのは何故だろう?コレクターの皆さんだったら知っているのだが、いくらレア盤でも傷だらけのレア盤は市場にたくさんあるし、傷盤だったら何時でもどこでも簡単に入手できる。コレクターがレア盤と思っているのは傷一つ無い美盤のことで、いくら珍しいレコードでも傷が付いていればコレクターは驚かないし、購入もしない。メリーゴーランドのように中古屋で、たらい回しにされているレア傷盤は多数あるが、傷一つ無い美品は廃盤の世界では市場に出ないし、非常に少なく入手が難しい。店主の「傷はあってもコレは珍しい」の言葉に高価な買い物をするのはどうであろう?また、高価でも、お金さえ用意できればブルーノートなど、何時でも入手可能なレコード、これもレア盤にはいるのか?はすこし疑問である。

さて、僕が考えるレア盤は、たとえ安くても普段なかなかお目にかかれないレコード、お金ではなかなか購入できない(もちろん傷があっては価値はないが)レコードなどだ
GUITAR SOUL も長年探し続けてようやく巡り会えたレコードで一時、紺ラベルでオリジナルなどと言うレコード店主もいたくらいだ。GUITAR SOUL はプレスティッジお得意の未発表オムニバス盤。この頃のステータス盤は紺ラベルに変わる直前で極端にオリジナルが少ない。たまたま前の所有者がラベルに記入していたのだが、SIDE2の表題(右下の写真)は「TINY GRIMES」でないとおかしい。この表記間違えが極端にSTATUSラベルを少なくしているのでは・・・間違えに気づき1回プレスで回収され紺ラベルで再プレスしたように予想してニヤニヤするのもコレクターの楽しみか?(2007/3/16)

HELEN MERRILL

「このレコードは聴かない方がよい!」と言ったら驚かれる人が多いと思うが、僕は本心そう思っている。・・・と言ってもオリジナル盤の音のことだが・・・
もしも、コレクターの方で入手見込みのない人や、とてもじゃないけどオリジナル盤までお金を出せないと言う人は、オリジナル盤は聞かずにお持ちのレコードで満足することをお勧めする。その方が幸せ?だと感じます。最近ではオリジナル盤との値段の差など無いに等しい良い音質のCD、レコードは7、8割以上あると思いますが、(別に業者を喜ばすつもりはありませんが)わずかながら絶対にオリジナル盤以外再現できない音というのがあり、このレコードもその中の1枚。
今まで「HELEN MERRILL」のオリジナル盤を10枚前後見てきたが、その(凄い)録音とオーバー・カッティングのため、どれも高音部に歪みっぽい音が伴う。しかし、それが逆に、よりリアルな音質を作っているようで、若いメリルの声に、クリフォードのペットの音に、まさに「迫力」が伴う。スタジオ内の緊張感がヒシヒシと伝わり、クリフォードが歌にあわせて控えめな伴奏を吹いている時にさえ、今にも爆発しそうなクリフォードの緊張感が感じられる
しかしながらセカンド(写真右)以降は録音時の歪み感を取り除くためカッティングレベルも低くしたようだが、思ったように歪み感もとれないで、まさに失敗、まるで青○三○の歌謡ショー(ファンの皆さんゴメンナサイ)のように「迫力」と「緊張感」はどこ吹く風・・・

クリフォードのペットの音は「HELEN MERRILL」が一番!迫力という点では「スタディ・イン・ブラウン」でも適わない。オリジナル盤はそれほどの音質で、当時の音を詰め込んだ缶詰の代表的なレコード(2007/3/23)

GWユニオンレコードセール

毎年恒例になったユニオン・GWセール。並んでいるときの、何があるのだろう?という、あの緊張感は25年以上経った今でも続いている。前日になるとメールである程度詳細が分かるのだが、僕がねらうのはメールで書かれていないレコード。意外に「やった!!」というのが多いのだ。新宿ユニオンも担当者によって値付けが違うが最近は値段と盤質が適正になってきたと思う。その反面お茶の水の値付けは最近評判がよろしくない。文句を言いながらもユニオンに出向くってことはその他の廃盤店は・・・ってことになるのかな?

さてさて、4/28からのセールの初日は緊張感が走る。少し早めに家を出て、それでもトップにはなれなかったが最終的には30人以上が並んだと思う。開店と同時に壁の目玉商品が一瞬で消える有様はGWと年末の恒例。片手で持てるだけ抱え片手でえさ箱を漁り、より良いモノをという考えは皆一緒。よく喧嘩にならないなあ・・・と思うが僕も同じ。でもここからが勝負の分かれるところ。抱えたレコードは高価なのでとても買い切れない、当然のようにポロポロえさ箱に戻される。狭い店内に1時間は待つことになるのはセールの恒例行事。

4/28新宿ユニオンUS廃盤パート1

LEFT ALONE / MAL WALDRON

おそらく、こんな名盤を持ってなかったの?と思われる人が多いと思うが、昔は高くとも1万も超すと一曲のために・・と笑うコレクターも多かった盤。僕も7、8千円だったら購入しても良いかな?と思っていたらどんどん値上がり、それとともに盤質も悪くなり、とうとう買い逃す羽目に。今回は何も買うものがなかったら「仕方ないか」と壁から1枚だけ取ると、顔見知りの古いコレクターから一曲のために2万円以上もだすの?と案の定笑われた。でも検盤してみると満足のいく盤質で結局悩んだあげく購入。

NORMAN SIMMONS TRIO

この日、嬉しかったのは長年探し続けてやっと巡り会えたこのレコード。軽い傷でもバチバチと入るARGOでもこのレコードは特に盤質に問題がある盤が多く、今まで何枚この手を通り過ぎたことだろう。(おそらく10枚以上)やっと満足のいく盤質に巡り会えた。

4/29超・新宿ユニオンBLUE NOTE SALE
朝から並ぶが特に購入したいレコードなし。壁やえさ箱から取り、ただひたすら知り合いに渡すのみ、お祭りを見に行ったようなそんな気分。
ブルーノートのセールは並んでいるときの会話が面白く、物欲の塊みたいなブルーノートコレクターが交わす会話は下手な漫才より笑えるかも

4/30新宿ユニオンVOCAL SALE

IT'S TIME FOR TINA / TINA LOUISE

縁がないレコードというのはコレクターには必ずある。僕にとっては「TINA LOUISE」がそれで、前日のメール案内で盤質がよいと書いてあり気合いを入れて並ぶも6人目でガッカリ。半分諦めていたが開店と同時に壁の目玉商品が無くなったが「TINA LOUISE」だけは残っていた。ラッキー!と思いながらゲット。レコードに愛が通じたのかも?(笑)内容も良いのだが、実は裏写真のtinaの顔が好きでどうも再発の写真では気にくわない。そのために買ったようなものなのだが(どうせ買うなら盤質の良いレコード)がうまく当たらなかったため今まで購入しなかった。当然、隠れ家に戻り裏写真を見ながら片面聞いたのは完全に変態かもしれない

美空ひばりジャズを歌う

さて、もう一枚は「美空ひばり」。このレコードは輸出盤で、当時コロンビアのロゴが使えないのでDENONのシールを貼り輸出したものらしい。30分ほどボーッとしていると壁に返されたレコードを奪い取るようにゲ〜ット!!!! 最近再発も出たが店頭で聞いてやけに耳障りな高音と嫌らしいエコーがかかっていて購入しなかったが、このレコードを聴いてみると再発は明らかに中域が抜けて、さらに音がデフォルメされているのが一目瞭然。予想もしなかったレコードに嬉しさ人一倍。当日お茶の水で日本人セールを行っていたが新宿で購入できるとは、しかも輸出用シールが貼ってあり格安で、ジャケットも盤も針を落としたことがないような状態・・・と、ちょっと自慢してみる幼い僕である

僕は長く並ぶときには携帯用の椅子を持参することが多い。この日のセールでも後ろの初老の紳士に声をかけられしばらく話していたが「何かお目当てでも?」に「これと言ってないのですが、お祭りが好きで並んでいます」と答えたらよほど初心者に思えたのだろうか?その後の会話はまるで息子に話すような言葉で優しく教えてくれた。たぶん、僕はコレクターから見るとまだまだヒヨッコのような存在かも知れない

5/1新宿ユニオンFREE JAZZ SALE
絶対に何も無いなぁと思いながら開店30分後に到着・・・やっぱり・・・
5/2新宿ユニオン国内廃盤セール
感想なし

5/3お茶の水US廃盤セール

当日は新宿でもヨーロッパセールだったが、未だにUS廃盤は好きなので気合いを入れてお茶の水に出向くが7時30分に到着するも6番目。考えが甘いのかなぁと反省。こちらも最終的には30人以上並んだと思う。チラシは特に見なかったが600枚放出と言うことで興味津々で開店を待つ。6番目だと当然壁の目玉商品は取れない。それでも嬉しいことに数枚ゲ〜ット。

URBANITY / HANK JONES

長年の夢で部屋にレコードジャケットを飾るならコレしかないと探し続けてやっと見つけた(もちろん盤質満足)状態。
今は無き新宿コレクターズに飾られていて、当時はあまり感じなかったが、コレクターズが無くなってから「あれ、良かったよなぁ」と一人思い出し探し出すもなかなか手に取ることが出来なかったレコード。恥ずかしながら僕はこのレコードの内容は知らないでハンクのピアノソロと思いこんでいたが、A面はジョニー・スミスとレイ・ブラウンのピアノトリオで好内容。驚いたと同時に市場に出てこないわけがようやく理解できた。GW中1番の買い物である

HAROLD OUSLEY

HAROLD OUSLEY」は渋いが“知る人ぞ知る”隠れ名盤の一枚でベテラン・コレクターには人気があり、なかなか市場に良い状態のレコードが出てこない。当然と言うようにベテラン・コレクターが脇に抱えていて「羨ましい」と思ったが30分もすると買い切れないのか?えさ箱に戻されたところをすかさずゲット。

満足しながら新宿に向かいヨーロッパセールの残骸を見て一桁少なければなぁ〜っと言う感想。こちらの方は珍しい盤が出ているのにかかわらず、あまり並ばなかったとか・・・

5/4渋谷ジャズ館ブルーノート・セール
ブルーノートかぁ。当然のように行く気になれないので、情報なし

5/5新宿ユニオンUS廃盤SALEパート2
目玉商品が無いことは、前日のメールでの詳細である程度分かっていたが、小物廃盤?が800枚も放出されるとなると興味がある。
ジャケットの買い直しや、盤の取替には絶好の機会、とばかり朝7時30分には並びに行ったがそれでも4番目。皆同じ考えかな?
当日吉祥寺でも廃盤セールがあるのだが分散するのかな?と思っていても30名くらいは並んでいたようだ

JAZZ ADVANCE / CECIL TAYLOR

ブックレットだけが欲しかった「JAZZ ADVANCE」。手頃な値段と言っても1万数千円でブックレットをゲットしたが何か複雑な気分

JAZZ IMMORTAL / CHARLEY CHRISTIAN ・ PIANO REFLECTIONS / FRAN THORNE

JAZZ IMMORTAL 」も「 PIANO REFLECTIONS」もこんな機会がないとなかなか購入しにくいレコードだが数千円と手頃な値段なので購入(JAZZ IMMORTAL の写真がピンぼけなので後で入れ替えます)
今年はトップには一度もなれなかったが僕よりも早く並んだ人は僕以上にハッピーなGWに違いない

最終日はコレと言ったものが無く残念だったが、今年のGWの収穫は大変満足のいくものであった(2007/5/6)

レア盤

久々の更新である。最近の僕は非常に忙しいので多少イライラしている。50歳になって仕事を少し(数年?〜もしかして引退?)休むことにして、今、会社の後始末をしているのからかも知れない。これからは親のスネをかじって力強く生き抜こうと決心した次第である(笑・・・・と、冗談はさておきレア盤とは何だろうと考えることが多くなった。
最近ユニオンのセールで朝早くから並ぶ人がいるが、たいてい抱えているのは(3大レーベルなどの)通常有名盤。それを奪い去るように壁に突進する。先日のセールでも長年探していた「TRIPLE THREAT / R.KIRK」が出るというので朝一番で行ったつもりが3番手・・・でも開店すると「TRIPLE THREAT / R.KIRK」だけ残して壁のレコードを奪い取っていく。ラッキ〜と思ったと同時に少し寂しい気持ちになった。セールに並ぶコレクターは多くなったが本物のレア盤を知るコレクターがいないのだなぁ・・・とつくづく思う
顔見知りの店員が近づいてきて「モアさんには少し厳しい状態ですよ。」と言ったが(視聴すると多少チリチリ感があるが)僕にはそのようなことは今回は関係のないレベルの問題で、なにしろ30年間で見たのは2回目!それほど珍しく、また探し回っていたレコードであった。このレコードの難しさは例えばブルーノートの中では難しいとされている完オリの「JUTTA HIPP WITH ZOOT」などもまるで、普通中古レコード店でピンクレディのレコードを捜しているようなものである。
と自慢しても良い音で聞きたいのならベツレヘムで再発が出ているのでそちらでどうぞお聞き下さい。KING盤は盤質が悪く特有のノイズが入る場合が多く、盤によってはベツレヘム盤の方が同等以上に聞けると思う。しかし「TRIPLE THREAT / R.KIRK」の写真を見て即座に入手の難しさが分かる人は年季の入ったコレクターで「ふ〜ん」と思った人は僕よりも若いコレクターのような感じがする。僕のコレクションの中のレア盤はこのレコードを含めて2枚しかない。もう一枚はアイラーのスピリチュアル・ユニティである。残りは通常有名盤で決してレアではない。

こんなレコードで自慢して、昔のコレクター仲間がいたら「まだ持っていなかったのか?」ときっと笑われるであろう、まだまだ新米のコレクターである(2007/8/12)

・・・・・ちょっとめずらしい?じゃず・レコード盤??? Vol.26に続く・・・・・