ちょっとめずらしい?じゃず・レコード盤??? Vol.24

R.FREEMAN & C.BAKER QUARTET

コレクター仲間に自慢するためにレア盤を求めるレコードコレクター。一般の人から見るとその存在は・・・ハッキリ言って子供のカード集めと同じでその大人版である。コレクターの中ではレア盤は持っている勝ちで、それだけで胸を張れ優越感に浸れる。昔だったら「イントロのペッパーを持っているよ」と言うだけで羨ましがられる?・・・そういう馬鹿な世界でもある。僕もコレクターとお付き合いをし始めたときにはレア盤集めに熱中していて、とにかく人の持っていない盤を探し続けた。当時レア盤に関して内容は二の次で「どうだ、見たこと無いだろう」といって会合で胸を張るのだ。ただそれだけで本人は満足。しかし自慢される側はたまったものではない。自慢していた本人が席を立つやいなや陰口のオンパレード。やがて、そんなことに嫌気がさしレコードコレクターを10年以上前に廃業???いやコレクターとは付き合わなくなった。

しかしながら僕もおおよそ人様に自慢するためには買っていないと思っていてもレア盤が手にはいると一日中ニコニコしている。とくにそれが愛聴盤だったらなおさらのことである。
長年ワールド・パシフィック・ラベルしかないとされていた「R.FREEMAN & C.BAKER QUARTET」。十数年前にパシフィック・ラベルが大久保の有名廃盤店で出たときに「やはりあったか」とため息をついたコレクターも多かった。スタンパーもジャケットもオリジナルと同じで音質など変わりようがない。ただラベルのロゴが違うだけ・・・これだけでコレクターには大問題なのである。このレコードはちょうどラベルが【パシフィック→ワールド・パシフィック】に変更される直前に出た為、オリジナルラベルは枚数が少なく入手が難しい。難しければ難しいレコードほど手に入ったときはうれしいもので一日中部屋でニコニコしていて家族からどうかしちゃったの?というような目で見られた。偉そうにHPに書いていても未だに僕は子供の遊びから抜け出せないでいるようだ。(2006/4/14)

The Jazz Scene

レコードでもCDでも初回限定盤・特典盤は当たり前の世界で常時何かしらレコード店に並んでいる。これら限定版も古くはSP時代からあり、例をあげると1949年に発売となった「The Jazz Scene」も限定レコード。このSPアルバムは5000部限定のSP盤6枚セット。普通のSPアルバムと違うのは29枚(裏表紙を入れると31枚)の写真とストーンマーチンの挿絵、ノーマングランツの直筆サインを豪華なジャケットに綴じてあり、まさにコレクターアイテム。それにパーカー、レスター、パウエルなどが聴けるとなるとヨダレのでないコレクターはいないだろう。後にマーキュリー時代ノーマン自身がプロデュースしたものをクレフ・レコードで再発売しているが、「The Jazz Scene」も10インチ、12インチで出している。
クレフ時代の「The Jazz Scene」の音質はそれほど悪くはない。しかしSP盤を聴いてしまうと再発盤の音質評価など意味を失い、言葉では表現できないほどの大きな壁があるのを知るだろう。SP盤をまともに聞いたことのない人だけが「SP盤など・・・」と馬鹿にする言葉を口に出来る。まるでLPをまともに聞いたことのないオーディオマニアが「レコードなど・・・」と言うように(2006/4/21)

僕がこのHPを始める前まで、出会うオーディオマニアの人たちはケーブルやアクセサリーの微妙な音質差をまるで「神の耳」のように的確に判断できるのに音源の音質差には全くの無関心。そのようなマニアのお宅を訪問すると何百万もするオーディオ機器が当然のように置いてあり、僕が好きな黄金期のジャズを聞かせてくれる。もちろん高音質CDで・・・。「ねぇ。良い音でしょ」と言われても答えようがなかった。ケーブル1本に何十万!!コンセントに数万円!!!とお金を出すのにオリジナル音源に1万円なんて払えないオーディオマニア。高音質の宣伝文句を鵜呑みにして、音源の差など気にしない「神の耳」を持つ音質マニアが多いことが不思議でならなかった。

現在ジャズのオリジナル盤は異様に値段が跳ね上がり、しかも盤質が非常に悪い。これでは音源音源と騒いでいても無意味になってしまう。僕のHPの影響もあるのか?オリジナルスタンパーを使用した再発盤も値上がってしまい残念に思っている。しかしオリジナル音源を体験しているのとしていないのでは所有のオーディオ機器の調整が違ってくるはずで、たとえCDでの再生でも音質差を正しく理解していれば最新機器でも黄金期のジャズ再生がうまくいき非常に役立つはず。是非どこかで体験してほしいと思う。

僕の周りでは精力的に動いているSHUKSさんが音源の差を正しく理解しているし、またStudio K's主催の「戯れる会」では音源に限らずあらゆる音質差を実験・体験していて、参加している人の理解度は独りよがりのオーディオマニアのそれとは言葉の重みが全然違う

SPジャケットとSP盤で2Kgを超える重さだ
10インチ盤は2枚組
SPジャケットの裏表紙写真を使った12インチ盤、音質は10インチと変わらない
写真の方はvinvanさんのHP「趣味の獄道」のジャズレコードの中のSPレコードに載っていますので参考にしてください
SUMMERTIME / Walter Bishop Jr.

ジャズレコードには昔から幻のレコードというのが多い。今日そのほとんどが復刻され、聞けないレコード・CDが無いくらい日本はジャズファンにとって幸せな国である。しかしオーディオファンにとっては?・・・少しばかり疑問が残る。かつての名演は聞けるがそのほとんどがオーディオ的(音質)に不満が残り、なぜこのレコードが凄いのか肌で感じることの出来ない復刻も多く、かつて初めてジャズ喫茶で味わった驚きや、名演がそこにあるとは思えない。
以前にも書いたがウォルター・ビショップJr.のスピーク・ロウなどは僕がジャズに夢中になったときに「幻の名盤」として購入したレコードではあるが、何故?ジミー・ギャリソンが凄いのかオリジナル盤を聞くまで本当の意味での理解はできなかった。「幻の名盤」だと雑誌に書いてあるので「ふ〜ん。これが名盤の演奏なんだ」と頭で理解しようと努力していたようだ。やがてオリジナル盤を聞くと鳥肌が立つほどジミー・ギャリソンは凄かったと思い知るようになる。なぜ名盤と言われるのか体で理解できた瞬間である。
80年代にウォルター・ビショップJr.のもう一つの幻のレコード「SUMMERTIME」の復刻版が輸入される。マイナーなレーベルから出たレコードだったので、当時はスピーク・ロウよりも市場に現れないレコードで幻といわれていたが、演奏内容は名演とは言えなく復刻版にガッカリした記憶がある。ところがオリジナル盤を偶然入手するとBGM的な演奏が一変するようなウォルター・ビショップJr.の芯のあるタッチがスピーカーから飛び出した。しかし、それでもオリジナル盤も音質的には優秀録音盤とは言えないし、演奏内容も細切れで「SUMMERTIME」は市場に出にくいため幻のレコードかもしれないが、「幻の名盤」と言うには無理があるようだ

マイナーなレコード会社ほどマスターテープの管理が上手くゆかず、またリカッティング、リマスタリングされるに当たっての参考となるオリジナルも聞けないままエンジニアたちがマスターの音を勝手に聞きやすいように加工して復刻を作る。レコード会社もポップスと違い、ジャズなどは1000枚売れれば大ヒットとなる世界。音質などに力を入れるわけ無いのは当然だが、かつてのKINGレコードのプロデューサーのように徹底的にオリジナルレコード音源を研究し、音質にこだわった復刻レコード・CDを出してほしいと願う次第である(2006/4/28)

GWユニオンレコードセール
恒例のGWセールは4/29〜5/5まで連日のバーゲンで短期間で財布が空になる恐ろしい期間である。しかし連日バーゲンが出来るほど大量に買い取りができ、しかもレア盤も多く含まれ数も半端ではないユニオンは中古CD・レコード店としてはやはり日本一である。朝早くから並ぶ人も多く、開店前になると長蛇の列が出来る。開店と同時に客が流れ込み壁の廃盤がたちまち消えてゆくが、30分もするとそのほとんどが壁に戻されるのが普通だから焦ることもない。ベテランは気になったものを次々と抱え、一通り見終わるとお店の片隅に行き、値段と状態を確認して、ここで半分以上えさ箱に返される。そしていよいよ検盤。廃盤はかなりの値段が付いているので状態が良くても買えるのはせいぜい1、2枚で、しかも最初に並ぶ常連のコレクターのほとんどは食費を削ってまでレコードを購入してる人がほとんど。欲しくても買えないのが本音である・・・だから30分〜40分後にもう一度えさ箱を漁るとお目当てのものが手に入る確率が高い。
GWは僕も朝から並ぶ・・・というか新宿・お茶の水のセールにはほとんど顔を出す。状態の良いものに買い換えたいレコード少しあるので並ぶことは並ぶが、最近は買わずに帰宅することが多くなった。それでもGW中は数枚状態の良い盤をゲットできた。この時期に大量に新入荷廃盤が出るので掘り出し物もあるが、逆に高額廃盤は廃盤専門店のほうが安い場合も多いので注意が必要だ。セール中店内には熱気がこもり雰囲気に惑わされ初心者は相場よりも高いものを買ってしまう場合も多い。2、30分もすればほとんどのベテランがいなくなるので、店内の熱気が冷めるまで購入を控えていた方が良いと思う。さて、収穫のお話でも・・・

4/29

DIZZY ATMOSPHERE
僕がよく聞く愛聴盤の1枚でとくにビリー・ミッチェルのテナーにメロメロ??・・・と意気揚々当HPのレコード・ギャラリーの一発目の写真に使った。しかし当掲示板でオリジナルには溝がありますよと教えられ「うかつだった!」と反省。実は大昔ある廃盤店の店員から「溝はないでしょう」とほとんど新品状態のものを購入して満足してしまい、その後何度か見るが興味はなく手にもしなかった。掲示板事件以来2回遭遇したが状態が悪いので全て却下。そしてとうとう3回目にしてようやく状態の満足できる「DIZZY ATMOSPHERE」を手に入れることが出来た。入手先はお茶の水ユニオンのGW初日セール。朝早く行ったつもりなのに入り口には既に5人も・・・甘かった。入店直前に壁のレコードは諦め、えさ箱に直行。これが良かったのか2番目のえさ箱に「DIZZY ATMOSPHERE」が・・・ラッキーである。値段も21000円とまぁまぁ納得できる値段。
帰宅し手に取ってみるとオリジナルはガチガチに硬く重い。溝なしは軽くしなやか・・・で、スタンパーは同じだが聞き比べてみると長年聴いてきた溝なしの方が心なしか良い音がする。比べてみるとオリジナルは少し硬い音質。耳が慣れてしまったせいかなとも思うがこれでは再発も売れないなぁ・・・レコードはどんどん増えていくばかりだ。

LUCKY LUCY ANN
お茶の水を早々去り新宿へ。こちらはヴォーカルセールで嵐の去った静けさという感じの店内。「LUCKY LUCY ANN」が気になっていたが、たぶん無いだろうなと思っていたら、まだ壁に張り付いていた。ジャケットは綺麗だが値段がずいぶんとグルービー。相場の1.5倍くらいで「これじゃぁ誰も買わないな」と見ていると顔なじみの店員が近づいてきて「気になるのなら見るだけ見てみます?」と悪魔のささやき。それじゃぁということで見てみるとキズはなく少しのスレのみで盤質は購入できるギリギリといったところか。「LUCKY LUCY ANN」は所有しているが、少しカゼぎみで買い換えを計画していた・・・1、2曲視聴しながら「既に持っているものを売れば相場よりも安いかも・・・」とお馬鹿な考えが。結局は初日からとんだ散財をしてしまった。

4/30のフリージャズ・セールと5/1のヨーロッパジャズ・セール、5/2のソウルジャズはこれといって欲しいものはなく一安心

さて、読者の皆様は不思議と思うだろうがGW中の家族サービスは?というと無視!の一言。離婚やむなし。これぞ!コレクター精神!!と強気の考え・・・とはいかず、嫁さんに小遣いをあげ、ひたすら謝る。コレしかないと財布を見せると5万以上取られてしまった(なみだ、なみだの物語・・である)

5/3はGWセールのメイン・イベントであるブルーノート・セール。
前日のメールで欲しいものはないけれどお祭りだから並ぶか?と朝6時に起床してPCメールをチェックすると朝7時には店員が整理券を渡すということ(汗)。聞いてないよ!と急いでシャワーを浴び着替えて自転車に飛び乗り6時30分に到着。すでに2人いたか・・・今回は渋谷も同時にブルーノート・セールを開催するので少し人数が少ないかと思いきや、さすがに人気のあるブルーノート。開店時間直前には長蛇の列が・・・
ブルーノートセールはお祭りだと思っている。あの時間前の熱気は僕が若い頃感じていた熱気に近いものがあり、それを味わいに行く。20年以上コレクターをしているとブルーノートはいやでも集まる。僕の知っている人でも何人かはコンプリートで集まるくらい集めやすかったし、いつの間にか僕も250枚前後もブルーノートが集まってしまった。しかしここ数年レア盤にとんでもない値段がつき始めた。とても一般人が買える値段ではない。万が一、パーフェクトに近いコンディションだったら考えるのだろうが、まずコレクターの持っているようなコンディションは今の市場には出てこない。かえって僕には安心して見られるセールとなっている。しかし収穫は予想通りゼロで、とても買える盤質では無かったと言うことかな?
残念なことに新宿ユニオンは最近表示が甘くなってきている。このセールでもA/B→B、B→B/C、と一段階下で、何枚か検盤したが盤質通りではなかった。きちんと表示してくくれば見る手間もなくなるのだけれど。

5/4の国内廃盤は興味なくGW中、唯一の家族サービスDAY。豊島園に行く

5/5 US廃盤セール

前日のメールで出品レコードを確認すると珍しく大物が並んでいる。もしも盤質が良ければ欲しいというレコードが数枚あり、少し早めに新宿ユニオンへ・・・それでも整理券は5番目でみんな考えていることは同じか。今日も開店直前には長蛇の列、自分のことを棚に上げて「GWなのに皆さん暇だなぁ」と思ったりして・・・そして開店。入店したとたん壁のレコードはほとんど残っていない。今日は本気で凄い!ジタバタしている間に5、6枚手に持ったが全てカス(汗)しばらく店内で様子見状態。僕が狙っていたレコードのほとんどが20分ほどするとえさ箱に次々レコードが返されて、すかさず盤質をチェックをするが、えさ箱に戻されるレコードに状態の良いものがほとんど無い。今回のGWは2枚の収穫で終わりかな?と思っていたら知人が1枚譲ってくれた。そして、えさ箱に返されたレコードの中から2枚を拾い計3枚が検盤を無事に通過、購入に至る。

セール前に顔見知りの若いコレクターが僕に横浜の廃盤専門店に先日行きましたよ。と言ってきた。「何かあった?」と僕が聞くと、その若いコレクターは少し憤慨気味に言うのには、ようするに「○○はあるけれど一見さんには売らないよ」とハッキリ断られたとのこと。僕の周りのコレクターの間でもこの廃盤店の評判はたまに聞くが・・・未だにこんな殿様商売が通じるお店があるのだなぁと感心した次第。あぁユニオンが近くにあって良かった。セールの前はこのような情報が交わせられる貴重な時間でもある

We Paid Our Dues / Charlie Rouse and Seldon Powell
エピック盤は最近なかなか市場に出にくく入手が難しい。録音も良いし企画も良いから意外と人気があるからだろうか?「We Paid Our Dues」も盤質が気に食わず長い間探していたが、ようやく満足する盤質に当たった。しかしストロボラベルだが溝がない。このレコードは数回か見たが溝が無く、溝ありは存在するのか分からないが、今回の盤質は満足する状態なので取りあえず購入。「DIZZY ATMOSPHERE」の二の舞にならなければよいが・・・少し不安(全ては知識不足の自己責任
このレコードはチャーリー・ラウズとセルダン・パウエルの演奏が交互に聴ける1枚で2度おいしい珍しい企画盤であり、オリジナル盤で両人の魅力ある分厚いサックスの音を聞くと他の音源では聞けなくなるほどの優秀な録音

DON BAGLEY / BASICALLY BAGLEY
ジャケットからしてなにかオシャレなジャズといった感じのDotの隠れ人気盤・・・というよりもある評論家?が雑誌に書いて値が上がってしまったレコードの1枚。本当に雑誌の影響は凄いと感じる。内容はジャケット通り、オシャレで軽いノリのピアノトリオ。ベースがリーダーのアルバムは良いのはあまり無いのだが、なかなかよくまとまっている。しかしハードバップばかり聞いている人には物足りなさがあるかも。オーディオ的にはなかなか面白く地味な演奏にもかかわらず絶妙なバランスで録音され、演奏自体が録音によって助けられている1枚であろう(とくにベースはしっとりと録音されて気持ちがよい)。派手さはないがエディ・コスタ(ハウス・オブ・ブルー・ライツ)にも匹敵する優秀な録音で、このレコードが上手く再生できないオーディオはもう一度見直すところがありそうだ。今回のジャケットはイマイチだが盤は全く問題なし、価格も手頃だったので、(今回買うものがないので)無理矢理購入した感がある。反省

John Wright / South Side Soul
ジョン・ライトは大好きで綺麗で安かったら思わず購入してしまう癖がまた出てしまった。このレコードはカゼひき盤も多いので注意が必要だが、カゼなしでお手頃価格だったら思わず買ってしまうが、3枚目。いずれトレードに使えるかも・・・と自分を慰める(トホホ・・・僕にとってはこのレコードとNice 'N' Tastyは魔物である

GWセールの収穫は5枚だった。ほとんど毎回新宿のセールには顔を出すが購入に至るレコードは少なくなってきている。今回は買い換えが多く、飛び上がるほどうれしい収穫は無かったが、開店前は言葉で言えないような緊張感がある雰囲気が好きで、まだまだコレクターの端くれにいるのだなぁと実感する
Austin Peralta / Maiden Voyage

ダイナミックオーディオ・サウンドハウスの厚木氏の大推薦盤「Austin Peralta / Maiden Voyage」。やはりネット(彼のブログ)で素晴らしいと書かれるとつい聞きたくなってしまう。ユニオンでアナログ・レコードを見つけ早速、厚木氏推薦曲「Maiden Voyage」を聞いてみると、う〜む・・・なるほど!と思わず納得してしまう。これが14歳???凄いなぁ。ベースとドラムのサポートも素晴らしい・・・と素直に思うが、僕には何かが足りない。そう思い出した。以前にも似たような人がいた。ジャズ・メッセンジャーズにいた頃のウィントン・マルサリスを聞いたときだ。凄い!と思ったが、その後は残念なことにあまり受け入れられなかったようだ。多くの人に感動を与えられ、はじめて芸術家と認められる。テクニックも必要だがそれ以上に人を感動させるような【何か】を持っていなければ、多くの人に認められないと思う。今の彼は凄いとしか書けないが将来それ以上に素晴らしい演奏を期待したい。

オーディオ的には面白く、厚木氏の書いているように、ほぼ完璧な録音だと思う。アナログよりもCDの方が若干よく(キレがあるように)聞こえるのは、雑記帳でも書いたがデジタル録音技術が飛躍的に良くなった影響だと思う。出来るだけ大音量で・・・ドラム、ベース、ピアノが弾け飛ぶ世界がそこにあり・・・これは「音の殺し屋」厚木氏の世界そのものだ!(←ウソ?)  さぁ、あなたも「Maiden Voyage」から針を落として大音量で聞いてみてください。と宣伝をしてみるが、レコード会社の回し者ではありません。あしからず(2006/5/19)

Basie is Back

5月27日、ダイナミックオーディオ・サウンドハウスの厚木氏の企画で新譜カウント・ベイシー・オーケストラ「ベイシー・イズ・バック」を聴く会に参加した。司会の山口孝さんのお話も面白くアッという間の1時間30分だった。
再生機器はリンLP12→(リンのフォノイコ使用?)→マッキンC46→MC501→JBL4338で文句の言いようのない(参加した約20人以外分からないだろうが)圧倒的な再生音は見事であり、たぶん僕が経験したオーディオショップで聞く最高レベルの再生音だと思う。音の殺し屋の耳が痛くなるほどのあの音量でLP1枚分聞きおわり、清々しさを感じたのはATSUGI・WORLDの魔法かもしれない
※オーディオ機器にあまり関心がないため型番が間違っているかもしれません。

「Basie is Back」アナログ・レコードの録音も大変に優秀でとくにオーディオファンは絶対に聞くべきレコードであろう。この見事なレコードの再生音に対して山口さんは、このレコードはCDではなくLPを意識して作ったためだと説明していたが、説明通りとくにB面は最近のCD用の録音のそれとは違う音で全オーディオファンの心をくすぐるような音が詰め込まれていると感じた

最近のジャズの演奏としてもなかなか熱い演奏で山口さんの言葉にも力が入るし、一関のベイシー菅原さん選曲の本レコードは正に文句なし。そして優秀録音盤の1枚であることは疑いがない。しかし熱い演奏の中に何故か「寂しさ」を感じたのは僕だけだろうか?録音も優秀、演奏内容も良いのに・・・いや僕にとってはベイシー本人がいないのは(楽団の演奏評価に対し)決定的なことかもしれないと無茶なことを考えて視聴していたような気がする(2006/5/29)

J. R. MONTEROSE / ALIVE IN AMSTERDAM PARADISO

かつてヨーロッパ盤はなかなか市場になくJ. R. MONTEROSEの「パラディソ」もコレクターが血眼になって探し、幻と騒がれたレコード。しかし80年代に復刻版が輸入されると、たちまち人気が落ち、一時的にではあるが(今現在もそうかな)1万円でも売れなくなってしまったレコードでもある。復刻版が出るまで、ただ珍しいため値段が高く、ライブ盤の音質も悪くJ. R. MONTEROSEも精彩に欠けるともなれば当然であろう。
このレコードを引っ張り出し、聴こうと思ったのはヤフオクで都内のあるショップが8万円もの値段を付けて出品していて、そんなに良かったかな?と思いながら十数年ぶりに聞き直したが・・・やはりこのレコードは復刻版で十分であることを再認識したに過ぎない。※写真はオリジナル盤です

名盤となるには、もちろん演奏内容も大事だがレコード媒体に載ると、録音の質によって演奏評価が変わってくる。このレコードも音質がもう少し良かったらと思うが、このように音質が変われば評価が変わるレコードはたくさんある(2006/6/16)

・・・・・ちょっとめずらしい?じゃず・レコード盤??? Vol.25に続く・・・・・