ちょっとめずらしい?じゃず・レコード盤??? Vol.8


Blue Note 4091

ブルーノートの耳マーク

15年以上前になるだろうか?当時まだブルーノート・サウンドにしびれていて、(4000番台のブルーノートだったら大抵4、5千円以内で買うことが出来た)大好きなレコードで綺麗だったら2枚でも3枚でも購入していた。左のレコードもそんな理由で複数所有しているがRVGの刻印が入っているのに音質が違うのに気づく。周りのコレクターに聞かせてもハッキリとその違いが判るほどだ。スタンパーの違いは耳マーク(耳の形をした文字?)の有無だけ。耳マークが付いている方が音が断然よい。当時いろいろな人に話しているうちに、いつの間にかプライスカードに耳マークなどと書いてあるのを見て何故か笑ってしまった。しかし音質の違いは歴然でそれが値段の差に出てきても当然のことのように思う。耳マークが何を示しているのかは解らないが最初のプレスであるのは間違えないようだ。ブルーノートでRVGが入っているオリジナル盤でも全てが良い音質ではないことを知るべきだと思う

クラシック(BERNARD HERRMANN)2

20年以上も中古レコード屋を回っていると手の感覚でオリジナルかどうか判ってくる。昔よくデートの最中に10分だけ時間をくれと言って素早くエサ箱を観たり、レコードバーゲンでは機関銃のように手を早く動かす。いつの間にか、その中でお目当てのものだけを確実に手にすることが出来るようになった。
クラシックも最近ではSXL(DECCA)、ASD(EMI)、lyritaなどのUKプレスは手の感覚だけでゲットすることが出来る。新入荷のエサ箱は5、6分でみないと家族がブーブー言い出すし、子供を連れてレコードを見に行くことも出来ない。右のレコードも家族を待たして御茶ノ水ユニオンの膨大な量の新入荷のエサ箱の中から十数分で見つけたハーマンのレコード。


Phase4 PFS 4315


NEW JAZZ 8217

New Jazz(RVGの音1)

プレスティッジにニュージャズという傍系レーベルがある。ここにヴァンゲルダーの優秀録音が大量にあり彼の感性が一番輝いていた時代であったと思う。また、歴史的名盤も多く存在する。よく言われるブルーノートはライオンの音であり、ヴァンゲルダー自身の音ではないと確信している。ニュージャズ・シリーズどれを取っても凄い音で入っているが問題点もある。先述したカゼひき盤も多く存在し、特にニュージャズ後期の盤に多い。

右はNEW JAZZの裏ジャケットである。NEW JAZZ初期のジャケットにはプライスが印刷されていた。この後$4.98のシールが上から貼られ、さらに再発ジャケットではプライスの印刷が消えた。
NEW JAZZシリーズでは再発ジャケットの色合いがずいぶん違う物が多い。このTHE CATSのジャケットでも赤紫からピンクまでいろいろな色が存在する
プレスティッジの7000番台にも多くの優秀録音盤が存在するが一連のシリーズ全体がもの凄い音で録音されているのはこのNEW JAZZシリーズだけである。
このNew Jazzシリーズの録音だけは何故か?再発盤や日本盤ではなかなか味わえない凄味があり、機会があればオリジナル盤を聞いていただきたい。当時の演奏の迫力が十二分に伝わると思う。


OKTAV OKTLP 164
昔から幻のレコードだったが音源自体はUK盤で聞けた

レコードの価値(CHARLIE PARKER)

都内でも全国でもそれほどジャズ・オリジナル盤レコード・コレクターは多くはない。ましてオーディオ・ファンでオリジナルの音源にこだわる人はほんの一握りであろう。その多くないコレクターが珍しいレコードを手に入れてしまえば後は売れなくなってしまう。左のレコードはチャーリー・パーカーの中で長い間幻とされていて、実際存在するのかも判らなかったレコードで、最初に廃盤専門店で販売されたとき存在にビックリしたコレクターも多かった。しかし高価で売れるとなると業者が海外を必死になって捜すのか?その後、多くの販売店に出回るようになる。高価で売られていたが一握りのコレクターに回るとたちまち売れなくなり、今では初発売価格の1/5以下でもお店に残っている。
昔、海外のレコードオークション屋で価値が下がるといってかなりの量のレコードを廃棄処分にしたと聞いたがわかる気がする。欲しい人に回ればそのレコードの価値は無いに等しい。昨年10万円で売れたからといって今年は1万円で売れるかどうか判らないのがコレクターの世界であると思う

アナログ最後の名盤?(GUIDO MANUSARDI)

イタリアにスプラッシュというジャズ・レコード・レーベルがある。新譜で売り出されたときに音質が良いので、ディスク・ユニオンに入荷すると片っ端から購入していた。当時売価で1790円だったが、今の新譜CDと同じでよい演奏はそんなに無かった。そんな中、右のレコードだけは愛聴盤の1枚になる。ピアノ・トリオのライブ録音でスタンダードをベテランのギドが非常に良いノリで演奏し、また音質も良いので友人に紹介したら、たちまちユニオンの棚から消えてしまった。予備用にもう1枚購入しようとしたが後の祭り。スプラッシュなどはすぐに手にはいるだろうと思っていたら、次に見たのは10年近く経ってからで1万2千円の値段が付いていたのに驚いた。アナログ時代、新譜で複数枚購入しようとしたものは大抵値上がりしてしまったのは残念だ。しかしこのレコードは録音、演奏共に80年代の(私的)名盤の1枚であると確信している


SPLASC(H) H115


CROWN RECORDS JAW1002
CLARK TERRY LIVE at 木馬 vol.1

日本盤蒐集1

ジャズのレコード蒐集で一番難しいのは日本盤であると思う。レア盤と呼ばれる高価な有名廃盤は専門店を回っていてお金さえ出せば手に入れることは容易だ。しかし日本の好企画盤はなかなか入手しにくい。とくに70年代のものはいくら珍しくても値段が付けにくく専門店ではまず出ない。従って自分の足で捜すしか手がない。(最近はオークションという便利なものがあるが)ジャズ・コレクターの中には日本のプレイヤーや日本企画の日本盤専門に集めている人がいる。特に昔のペラジャケ日本盤を見ると感激すら覚える。左のレコードも日本企画盤のレコードでなかなか好演奏で楽しめるが、最近この手のレコードを見る機会が少なくなってしまった。76年頃のレコードだから値が付いても千円前後か。しかし全て揃えるのは以外と難しい。捜すとなると、なかなか難しいのが日本企画盤である。
LIVE at 木馬 はモダン・ジャズの楽しさを十分に満喫できるライブ盤で手放す人が少なく、昔から中古市場でもあまりお目にかかったことはない


CROWN RECORDS JAW1003
CLARK TERRY LIVE at 木馬 vol.2


CROWN RECORDS JAW1004
CLARK TERRY LIVE at 木馬 vol.3

At The Montreux Jazz Festival / Bill Evans

このレコードは発売当時、日本では直輸入盤にライナーを入れて販売していたので中古市場で豊富に出回り、オリジナル盤を手に入れやすい。また値段も1〜2千円までと手頃である。しかも録音が非常に優秀で僕が初めて録音技師Val Valentinを意識したレコード。演奏内容と共に1枚は持っていてほしいレコードである。70年前後同じ時期にヴァンゲルダーもヴァーブで録音をしているがステレオ期の録音は冴えがなくVal Valentinに大きく水を空けられている。
高くても2千円以内なのと、ほぼ全国の普通の中古屋で手に入る盤としてお勧めするが、どうせ購入するならば初期プレスを捜そう。見分け方はラベルに溝が入っている盤が最初だが数は多くないので一般的にはTヴァーブのラベルの銀色の濃い盤が初期プレスで、後期プレスになるとくすんだ色の銀色になる。音の方も初期に比べて少し厚みが無くなり、くすんだ感じになるが神経質になるような差ではない


VERVE V6/8762


オリジナル・ラベルは通称『Tヴァーブ』

クリスマス・レコード

クリスマスが近づいてくると必ず聴くレコードが2枚ある。先日レコードを少し整理して、レコードを聴いてみたら年末独特の雰囲気を味わえた。十数年、繰り返し同じ時期に聴いているので体が覚えているのであろう。1枚は定番のジョン・レノンのハッピー・クリスマス、もう1枚はこちらも定番マイルスのクリスマス・セッション。特にハッピー・クリスマスを流すと子供が大喜び、おもちゃを買ってもらえるからである。これもすり込みというか条件反射であろう。耳にすると季節やある時期を思い出す音楽は生活の中でも重要な要素ではあると思うが普段うるさいと感じている嫁さんは・・・いやいや考えないことにしている。とにかく子供の喜ぶ顔はいいもので昔は彼女、今は子供たちのためにせっせとお金をクリスマスの日に使っている。(今年もケンタッキーを早めに予約しておこう)
マイルスと言えば最近、同じクリスマス・セッションやその他、オーディオ・ファイル用に作られた重量盤高音質レコード(OJC180g)がユニオンなどで売っていて気になっているが3990円と少し高く手が出せないでいる。ジャケットはOJCそのままでクラシック・レコードに比べると出来が悪い。しかし音質はどうなのか?機会があれば一度視聴してみたい
これ以外にもクリスマス・アルバムは多く所有していて、良く聞くアナログ・レコードではカーペンターズやマライヤ・キャリー、ドリス・デイなどがある。やはりアナログで聞くボーカルは一味違う。毎年思うのはカレン・カーペンターのためだけに特化したシステムを作ってみたいという衝動に駆られるのは僕だけであろうか?
CDで聞くボーカルはマイクの種類までわかる凄さがあり、アナログで聞くボーカルはマイクの存在が消える凄さがあると思う。


プロモーション用のハッピー・クリスマス。昔ロック屋で格安で買った12インチ・シングル。ジャケでも付いていれば多少価値があるが


PRESTIGE 7150 有名なマイルスのクリスマス・セッション。年末しか聞かないがこの緊張感は毎年たまらない快感だ


SABA SB 15149

hampton hawes/saba

僕が廃盤を集めだした頃、友人が珍しいレコードを見せてやると言ってSABAのハンプトン・ホースを出した。当時SABA自体も大変珍しくHamp's Pianoを見たのは初めてだった。しかしコンポラのホースだったら大抵聞いていたがあまり好きになれなかった。あまりにカラッとした演奏になにか物足りなさ?を感じていたからで、SABAが珍しいと言っても感激は少なかったが、針を下ろした瞬間、僕はホースの凄さが解った気がした。SABAのレコードにはコンポラでは感じられないタッチの繊細さがハッキリと録音されていた。いつものホース節?の中に繊細なタッチがあった。自宅に帰りコンポラのホースを聞き直すとわずかだが繊細さも感じることができた。しかし名録音エンジニアのロイ・デュナンのあまりに抜けるような録音が素晴らしく繊細なタッチが隠れてしまっていた。そう言えばコンポラの他の録音もあまり繊細さを感じないと初めて気づき、録音一つで音楽の表情が変わるのを当時ハッキリ感じた。もしもエバンスの名トリオがコンポラで録音されたり、ホースがリバーサイドで録音されたら(私的)評価も違うモノになった気がする。

Introducing LEE MORGAN

サヴォイの人気盤で初々しいモーガンの演奏が楽しめる1枚だが、昔からなかなか中古市場でもお目にかからない。最近でもあるネット廃盤店でサヴォイでは考えられないくらいの値段が付いていたのにsoldになっていて驚いたが捜している人にとってはその値段でも仕方がないのかもしれない。僕自身もオリジナルが手に入らず、しばらくは2nd(エビ茶ラベル)で楽しんでいた。しかし歩き回っていると当たるもので幸運なことにごく普通の中古屋で数千円で見つけた思い出深い盤である。
サヴォイはコンテンポラリーと同じで後々までオリジナルのスタンパーを使っている。音質は?というと再発盤では【溝有り赤ラベル(オリジナル)→エビ茶ラベル→茶ラベルとなる】多少スタンパーがくたびれるのか?わずかに音のハリがなくなるが、ヴァンゲルダーの音を十分に楽しめる。しかも茶ラベルあたりになると日本盤よりも安く手にはいる。またジャケットもオリジナルと同じジャケを使っているものも多く大変に買い得である。コレクターからは相手にされない再発サヴォイだが音質はオリジナルとそれほど変わるわけではないので興味のある方は【殆どの再発サヴォイにRVGと刻印されているのでスタンパーを確認してください】購入してその音質を試してほしい。


SAVOY MG 12091


MUZA XL0193
J.GRIFFIN(ts)K.DREW(p)R.JACOBS(b)R.JOSEPH(ds)
優秀録音ではないが音質もまぁまぁ。演奏内容は良い
東欧盤だけになかなかきれいな盤にはお目にかかれない

流行(JOHNNY GRIFFIN)

近年ヨーロッパのジャズ・ミュージシャンが注目され、特にピアノトリオでスタンダードを演奏していると新譜CDが飛ぶように売れるようだ。しかし内容的にはこれといった物はなく友人も100枚購入して1、2枚当たれば良い方と言っていた意味が良くわかる。
中古レコードも同じで澤野工房に紹介された欧州レコードが中古市場で高額の値段を付けていて、それが当たり前になってしまった。先日も中古レコードバーゲン(3〜6千円中心)に顔を出した。皆が抱えているのは比較的新しいミュージシャンのヨーロッパ録音が多かった。その中で1枚取り残されていたのが以前だったら数万円で取り引きされていた人気?のあったムザ盤のグリフィンである。誰も手を出さないし値段も3,800円と安く盤質もAでキズもない。朝15人ほど並んでいたが人気盤も変われば変わるものだなぁ(最初、所有しているので無視していた)と思いつつ黄金期のモダン・ジャズの名盤を手にした。流行の反対をゆく私には嬉しいことだが、こういう流行の繰り返しを何回も経験している

オーディファンとレコードファンと僕のオーディオ考(新春雑談 その1)

ジャズ黄金期5、60年代名盤の高音質CDは非常に聞きやすい音で入っているし、変な音もしない。しかし何か物足りない。確実に中域が薄く音に厚みを感じさせない。音に力感もなく、ベースなども高域と低域で鳴っている感じで物足りない。これは技術的な問題も多少あるが、主に4、50年経ったテープの劣化の問題が大きいと思う。昔からのレコードファンは音源に興味がある人が多く、どのような盤が良い音かを知っている。ジャズの5、60年黄金期の名盤ではレコードでもCDでも一つの音源で何十ものCDやレコードが発売されている。(数年に1回は再発されるブルーノートなど出るたびに音質が変わる)私はケーブルや機器を選択する前に音源を選択すべきだと信じている。音源に入っていない音はどんなに高価なシステムでもそれを表現できないからだ。私も古い録音の音質の素晴らしさを知らなければ、きっと高音質盤CDで満足していただろうが・・・


BLUE NOTE BLP1541
人気ブルーノート盤は日本盤、輸入盤を合わせると毎年再発新譜が出てくる勢いである。しかも出てくるたびに最高の音質だと豪語するレコード会社が後を絶たない。なにかオーディオ・ファンで高価なケーブルを換えるたびにこれが最高の音だと毎年言っている知人に似ている


EMI 5 29326/5 29327
最近、リマスタリングされたビートルズのCDやレコードはUKステレオ・オリジナル盤よりも良い音質だ。と言うよりは、60年中期のEMIのポピュラーの録音が最低(音質に無関心?)だったのかもしれない。反面、同時期EMIにはクラシックで名録音が多数排出されているが面白い現象である
オーディオファンとレコードファンの違いは何だろう?両方とも音質を重要視しているが疑問を持つところが違う。オーディオファンは音質が悪いとケーブルや電源を疑う。レコードファンは音質が悪いとCDやレコード盤のプレス時期や場所を気にする。残念なことにCDやレコードの音質が悪いとどんなに高価なシステムでも補えない。たとえばビートルズを例に取ってみよう。いろいろな国でプレスされ、また何回も復刻され世の中には千種類以上?のCDやレコードがプレスされている。ここで東欧プレスや南米プレスのビートルズをハイエンドシステムで再生するのと、初期モノラル・イギリスプレスや高音質として名高いMOBILE FIDELITY盤を再生するのではどちらが良いか理解できると思う。
レコードファンから見ると、どんなに立派なシステムを自慢してもレコードやCDの再生音源が悪いと(ビートルズの東欧プレスや南米プレスみたいなもので)決して良い音が出るとは思えないのだ。どのようなソフト(音源)で再生しているかで音が予想できてしまうと言っても間違いではないと思う

音源の重要性が良くわかるクラシック・LPレコードのホームページ(新春雑談 その2)

僕がHPを始めるに当たって強い影響を受けたHPがクラシックLPレコードというHP。ここに比べたら僕の音源に対する知識など無いに等しいと思うほどである。ジャズ版の『クラシックLPレコード』みたいなHPを作ってみたいと始めたが、最近なにか別の方向に走っているような気がする。このHPの管理者はレコードに対する研究を熱心にしており、また音質の良いレコードをセンスの良いオーディオで聞いていて、SS誌に出てくるような高価な機器で聞くよりも、もっと素晴らしい音で聴いているような気がしている。どんなに高価なシステムを使っていてもあまり聞きたいとは思わないが、僕がはじめて人の装置を聞きたくなったのもここのHPに載っているシステムである。音源に対する新たな考えの参考にもなるので是非一度はジャズファンでも目を通しておくべきであると思う。管理者の方が大変にお忙しくて更新がままならぬと言うことであるが大事に見守りたいHPである


このHPを偶然発見したときにはかなり衝撃を受けた。レコードの音源に注目した日本の個人サイトとしては最初ではないかと思う。こういうサイトこそステレオ・サウンド誌を愛読しているオーディオ・ファンやオーディオ評論家に読んでほしいと感じている

残念ですが現在閉鎖しています


・・・・・ちょっとめずらしい?じゃず・レコード盤??? Vol.9へ続く・・・・・