ちょっとめずらしい?じゃず・レコード盤??? Vol.5


KING KC 3009/10

ジョージ・ルイス・イン・東京

左は中古市場でもよく見かけるが、ジョージ・ルイスが初来日した1963年に東京厚生年金ホールで録音されたレコード。コレクターには有名な盤で今聞いても大変に楽しめる内容になっている。当時、モダンジャズ一辺倒の日本において本場のディキシーランド・ジャズはかえって新鮮に感じられたことだろう。3ヶ月で90回もの公演をして大好評だったらしい

しかし、同じキング・レコードで翌年、再来日したジョージ・ルイス一行を再び録音してVOL.2として発売されていたことはあまり知られていない。同じ東京厚生年金ホールでの録音で、先に発売されたレコードと比べても甲乙付けがたい内容となっている。このときも3ヶ月で90回もの長期公演を行っている


KING SKJ 15


IMPULSE AS-9154

THE MAGIC OF JU-JU / ARCHIE SHEPP

子供がいたずら盛りで、どうもプレーヤーに触るのが大好きだ。おかげでカートリッジを2つも入院させた。今までは真空管に手を近づけて熱いから触ったら駄目だよと言って効果覿面だったのに、色々知恵が付いてきて騙せなくなってきた。最近は金色のトーレンスにご執心で目を離すと触りまくっている。たまたま段ボールから左のジャケットが出てきたとたん大声で鳴き始めた。それ以来プレーヤーの側に置いておくと近づかない。今のところ、このレコードは正にタイトル通りTHE MAGIC OF JU-JUである

SONNY ROLLINS / SAXOPHONE COLOSSUSの比較

冒頭の再発盤のページで紹介したサキソフォン・コロッサスの音質を詳しく比較してみた。左のジャケットはオリジナル・ジャケットでJPEG圧縮するとうまく色が出ない。青い部分が深緑がかった青である


PRLP 7079

オリジナル盤(相場価格:5〜10万円)

ロリンズをはじめとしてローチ、トミフラ、ワトキンスの演奏が全てに於いて完璧ならば録音も完璧である。このレコードの特にロリンズの太くゴリゴリしたサックス音を再生したいがため、5、60年代のオーディオ機器になってしまったと言っても過言ではない。ヴァンゲルダーの録音はブルーノートで有名だが、あれはライオンの音と確信している。ヴァンゲルダーの音はプレスティッジに凝縮されているし、サキコロが彼の最高作品であろう。正に演奏、録音と共に名盤中の名盤。是非、当時の機器でこのレコードを聞いてほしい。ヴィンティージ機器の認識が変わると思う

2nd(相場価格:1〜3万円)

ラベルの住所がNYCからNJに変わるが盤そのものの重さ、堅さなどは殆ど同じである。しかしこの頃のジャケットは2種類あり、オリジナルのジャケットに入っている物と裏面NJ住所の鮮やかなブルーの物。肝心の音質はオリジナルと殆ど変わらない。多少切れ味が悪くなったように感じるのは気のせいか?


PR 7326

3rd(相場価格:1〜3千円)

ジャケット写真が変わり、廉価版レコードみたいな安っぽいジャケット。スタンパーは同じだが盤は多少軽くなり柔らかい。音質は微妙ではあるがゴリゴリ感が薄まり、輪郭のエッジが取れる感じ。しかし3枚を同時に比較しなければ解らないほど微妙で大変立派な音質である。とても10万円の価格差とは思えない。アナログ・レコードの魅力を堪能したい人にお勧めしたいレコード。中古レコード店で捜す価値は十分にある。
捜すとなると難しいが、つい最近も1600円、2000円で2度ほど見ている。

3rdプレスは紺ラベルに以降する間、わずかな期間販売されたゴールド・ラベルといわれる物。オリジナル・スタンパーはRVG、PRLP-7079-A、Bと手書きで刻印されているが、このレコードのスタンパーは7326A、Bというナンバーが手書きで追記されている。この他、数は少ないが紺ラベルに移行した直後にも同スタンパーが使われている


WARWICK W2040

THE BIGGEST VOICE IN JAZZ / NAT WRIGHT

ジャズ誌の珍盤、奇盤で必ず取り上げられる迷盤であるのでご存じの方も多いと思う。コールマン・ホーキンス、ベニー・グリーン、ポール・チェンバース、ウィントン・ケリー、ジミー・コブ、ジミー・ジェフリー、トミー・フラナガン、ロン・カーターなどバックをつとめるメンバーが凄い。主人公のナット・ライトだけが無名で、歌を聴けば無名の訳が良くわかる。しかし本人はこれだけのメンバーを従えカラオケ大会?が出来たので、さぞかし満足したことだろう。中古でオリジナル盤が2千円前後でよく出てくるが足は遅い。当然である

ジャケットのこと

オリジナル盤にこだわる理由の一つとしてジャケット写真の鮮明さをあげられる。再発盤の写真はまるでカラーコピーされたように平面的で面白味が無く、当時の雰囲気がうまく伝わらない。ひどいジャケットになると暗い部分が潰れ、顔さえ判断できない。その雰囲気の悪さは復刻本の写真の悪さと同じである。アナログ・レコードはジャケットを見ながら音楽を楽しめるからこそ、こだわりも大きい。
さて、話はそれたがコレクターの楽しみとしてオリジナル・ジャケットと再発ジャケットのわずかな違いを楽しむこともある。下のレコードはインパルスの優秀録音盤でもあるロリンズのアルフィーであるが違いがお分かりになるであろうか?


オリジナル・ジャケット


再発ジャケット

BLUE SERGE / SERGE CHALOFF

輸入レコード店で売っている重量盤ブルー・サージの音質が良いとの評判を聞き、衝動買いしてしまった。早速、針を落として聞いてみた。カッティング・レベルが高く驚いたが、評判通りの、なかなかイイ音であった。盤は重量盤だけあって重く、硬い。まるで軽く柔らかいオリジナル盤が再発みたいだ。オリジナルのしなやかな音質とは異なり、多少、中低域の密度が薄くなるが、エッジの利いたメリハリのある音。ブルーノートが好きであるならば、この音は気に入ると思う。このような再発レコードを聞くと他の高音質レコードも試したくなる


オリジナル・ジャケット


まだビニールも剥がしていない180g重量盤

しかし、ジャケットの方は何とも言えないシアン一色の下品な色である。初めてオリジナル・ジャケットを見たときにハッとした美人の顔がノッペラボウ・・・裏の写真はもっとひどく暗い部分が潰れているが、この音質で新品が1790円、贅沢を言ってはバチが当たる。音質的に買って損はないレコードだと思う。購入にあたってソリあるレコードも多少あるみたいなので注意が必要だ


・・・・・ちょっとめずらしい?じゃず・レコード盤??? Vol.6へ続く・・・・・