オーディオ雑記帳 8

オーディオって結局は自己満足の世界だと思う
きっと、人に聞かせるほど良い音で鳴っているわけでもない
しかし、やはり自分の音が最高!と気ままに好きな機器を書いてみた

久々にオーディオのお話でも

大震災以来、オーディオの話を控えてきた。まだまだ避難暮らしをされている方もおられるのに贅沢な話など出来ないと心に決めていた。しかし僕のオーディオ部屋計画は震災前(約3年前)から計画していて、震災前に支払いも済ましていたので、今となっては贅沢なお話だが許してほしいと思いながら書いている。
部屋の引き渡しは昨年の8月であった。免震構造の集合住宅の中層階に完全防音の部屋を造るのはゼネコンでも難しかったらしく設計段階から苦労したと聞いた。なんでも部屋を30センチ以上のコンクリートで囲まないと重低音が制御できないとのことで、ゼネコンと懇意のあるスタジオ設計専門の会社と組んで造った部屋で、結局のはなし内装だけで家一軒分くらいの費用が・・・親から費用を借りてなんとか支払ったが、震災後だったらこの部屋は取りやめになっていたと思う。
オーディオの移動はダイナミックオーディオのA氏に頼んでいたので最初に部屋に入ったのは僕以外ではA氏が初めてである。重い鉄の扉を閉めるとA氏が言った言葉は「シ〜ンと聞こえる?部屋は初めてだ。」少しうれしかった。彼は防音を施してある部屋はいくつか知っているが、ここまで静かな部屋はないとのことで、しかも大きな国道2本に囲まれている住宅とは思えないとも話していた。そして1年半経った現在ようやく音楽が聴ける音になってきた。やはりここまで時間を費やさないと音にはならない。

部屋は約33帖でマンションの部屋を2つぶち抜いた。シルバーのSPはウィルソンの7である。5、6、8と聞いてきたが7で落ち着いた
後方にはレコード棚を配置
サイドにはオーディオ棚を配置しているが、共に見えないよう扉を造った。音楽を聴いている時間SPは仕方ないが機器は僕にはない方が良い
オーディオ棚の後ろには部屋がある
レコード棚は壁一面に造ったが5000枚しか入らず残りの5000枚は隣の部屋の段ボールの中。いづれ整理しなければならない
オーディオ棚の後ろの部屋の存在で配線が非常に楽になった。部屋に置いてあるショーケースにカートリッジなどの小物を整理した
そして、現在このような状態で音楽を楽しんでいる(2012/11/12)
僕が考える理想のオーディオ部屋

ステレオサウンド誌がいつ頃かは分からないが『音楽が聞こえない部屋の写真』が載るようになった。マニア紹介でも訪問でも、皆揃ったように誇らしげに高価な機器を並べ立てた部屋で、まるでオーディオショップのようなリビング。最近ではよく恥ずかしくもなく、いい親父が自慢げに載るよとあきれ顔。
オーディオ評論家が音を伝えられない文章を書き始めたのも同時期のような気がする。評論の総括は決まって曖昧な和製英語で語られ、結局何を読者に伝えたいのか?
しばらくして、一流のオーディオ専門誌が二流のオーディオ広告雑誌にみごとに変貌を遂げた。それからというものオーディオ評論家と名刺でも出されると大笑いしてしまう自分がいる

僕は一枚の写真・・・暖炉のそばにデコラが他の家具と一緒に、最初からそこにあったような自然な感じで置かれていた・・・それは多分イギリスの貴族の部屋だと思うが、こんな部屋で音楽を楽しみたいと長年思っていた。時の流れを忘れさせてくれる部屋、それが僕の理想となった。再開発の話が出たときにチャンスだと思った。そしてまだまだ家具などは揃わないが、時間を忘れられるような部屋が出来つつある。先日、母といっても84歳だが友人を連れてきて部屋を貸してくれというので、デコラから小さな音で音楽を流して部屋を出たら、普段30分もしない間に帰るのに、その日は2時間部屋にいたらしい。そしてまた遊びにきていい?と友人にとっては非常に心地の良い部屋であったらしい。すこしは記憶の写真に近づいたかな?と理想の部屋作りは始まったばかりだ。(2012/12/10)

Cello Audio Suite

Celloのパワーアンプは歴代レビンソンの中でも抜群に優秀だと思う。しかしプリアンプについては疑問が残った。Encore プリは2台使用したが手元には残らなかった。Audio Pallette も初期のものとMIVと使用したが、(グラフィックイコライザー・アンプなのに)予想していた以上にソースを選ぶので、僕にとっては使いづらいプリアンプとなっていて、手元にはMIVしか残っていない。Audio Suiteは気になってはいたが、レビンソンのML-1Lからの印象が強いためか、その大きさが気に入らず全く使う気にはならなかった。
昨年8月に引っ越してからオーディオ機器を全て隠せるようになり、ようやくAudio Suiteを使用する気になった。いやぁ〜繋いだとたん、その音質の良さに驚いた。しかもMarantz 7やLNPと音質が違うのに繋ぎかえても全く違和感を感じないのだ。今となってはMarantz 7やLNPと同様に手放せないプリアンプとなってしまった。もしも引っ越ししなかったら絶対に使わなかったアンプだと思うが偶然でこのような音質に出会えるとは・・・やはり何か縁があったのだろうか?Celloを表現する”クリスタル”という音質に初めて出会えた感じである。今後この部屋ではMarantz 7、LNP、Audio Suiteが代わる代わる主役となってゆく気がする。
よく『もう少し早く出会っていれば』とか後悔する記事を読むが、生理的に顔が嫌いなのでAudio Suiteについては後悔はしていないが、その音質はパワー以上に優秀なプリアンプだと思う。プリアンプ道楽もこれで終わる?いや気になるプリアンプが他に全くないという方が正しいのかもしれない(2012/12/28)

オーディオと湿度

除湿器を購入。40畳用だが製造完了品だったので展示品を格安で手に入れた。時季外れだが、最近オーディオが良く鳴ってくれるので、今の湿度で部屋を維持するためだ。現在40%前後だが除湿器を入れると30%まで下がる。ここからは加湿器を使って少しづつ上げていくわけだが、今の時期、加湿器を使っても5~60%が精一杯でそれ以上は上げられない。まぁ梅雨時にはあまり音楽が聴きたくない状態なので湿度をそれ以上上げても結果は分かっているが...
で、結論というのはまだでないが、さすがのJBLでも乾燥過ぎるとだめだと言うことぐらいしか分からない。音の艶がなくなってしまうように聞こえる。また、イギリス系のスピーカーは全く駄目。何となく分かったことは最低でも40~45%以上、55%以下の範囲かな?ということぐらい(困ったことに例外的にDECOLAは少し違い、そのままで湿度は日本仕様?かも)
暇なときに音楽を聴きながら除湿、加湿をしている。僕は専門家でもないし音楽家でも良い耳を持つ評論家でもないが、今のところ4~50%の範囲だったら、後は本人の気分(状態)次第でいくらでも評価が変わるわけだ。専門店のチョイ聴きが良く聞こえるのも、部屋が広くなり湿度も当然かわり、増して自分の気持ちが外に出て高揚している訳だからだとおもう。
梅雨時この除湿器でどのような状態になるか確かめてみないと分からないが、僕にベストの状態の湿度を見つけるのに後一年かな。今のところ45~50%を維持できる部屋に持って行こうと思っている。(2013/2/16)

iPad

僕がaiffファイルに600×600のジャケットを貼り付けた理由は、 MacMini のディスプレイを iPad にミラーリングさせ音楽を聴きながらジャケットを眺めるため。2000枚もランダムに、それも曲シャッフルで流していると何が何だか解らなくなる。iPad の Air Desplay を使いミラーリングさせると曲が入れ替わるごとにジャケットも入れ替わり、とても便利。(もちろん、iPad からの操作も OK だ)
同時に nas に入れてある音楽ファイルをローカル HDD に移し再生してみると、僕の環境では nas よりも良好な結果が出た。あれほど悩んでいた sax に厚みが出て、また一音一音飛び出してくるようになった。なぜ nas に拘っていたのだろうか?と、何か遠回りしたような気分だ。(2013/4/10)

RECOKUT PLAYER + FAIRCHILD

プレーヤー道楽も最後かもしれない。ショップに頼んでおいたプレーヤーが届いた。台座の大きさが半端ではなく、ほぼEMT927と同じ大きさであり、部屋に入れてから改めて驚いた。もちろんモノラル専用機だが、愛用のGARRARD PLAYER + FAIRCHILD と少し違うアメリカの音を求めたのかもしれない。設置したばかりでじっくりと調整しなければならないが、電源を落とした後にターンテーブルがいつまでも回っているプレーヤーに何か可能性がありそうで気持ちがよい。(2013/4/28)

FAIRCHILD

FAIRCHILDのアーム・カートリッジを使ってきて、一番入手が難しいのがカートリッジ・ホルダー。たまたま以前取引のあったヤフオクで知り合った個人業者の人が親切で昔レプリカで作ったホルダーを全て譲っていただき僕は助かったが、その後、懇願されて何人もの方に差し上げてしまった。ホルダーのネジも秋葉原のネジ専門店で簡単に購入可能だが、地方では入手が少し難しいと思う。と言うのもホルダーの上のネジが少しでも出ていると、うまくアームに入らない。アームやカートリッジは何とか流通しているが、需要があるのかないのか?分からないがカートリッジ・ホルダーはほとんど流通していない。ホルダーを作ってくれたら助かる人も多いと思うが ... 所詮、FAIRCHILDは少数派で無理なのだろう。所有のホルダーはもう譲れない。(2013/5/1)

雑感

また一つオーディオ雑誌が休刊となった。まぁ、オーディオという言葉自体が死語かもしれないが、オーディオ雑誌の休刊は当然のことのように感じる。アナログレコードも同じ運命をたどるのも遠くはないことと思われる。僕が青春を迎えた時、オーディオの全盛期だったと思う。純粋にオーディオが大衆娯楽としてそこにあった。FMファンやレコパルなどの音楽雑誌に将来みる夢のオーディオがそこにあった。それは若い僕たちにも少し頑張って貯蓄をすれば手の届く夢であった。
しばらくしてステレオサウンド誌でオーディオを大衆娯楽から何か崇高な文化?にしようと菅野氏が言い始めたように記憶しているが、その頃からオーディオがつまらなくなり専門誌にも活気がなくなり始め、現在では現実離れした価格設定のオーディオ機器、音質評価さえ伝わらないオーディオ評論など当然のように全くオーディオ雑誌の内容が意味をなさない(大衆娯楽とは無縁の)時代となった。
息子たちをみているとiPhoneやスマホで音楽を十分楽しんでいる。オーディオ機器を持つ意味すらないのもわかる。これが現在の大衆娯楽であり、これに文化などと何か崇高なものまで高めようとするならば、オーディオと同じように自然消滅していくであろう。
楽器にもさわれない奴が音楽を語るな、スコアも読めない奴がクラシックを聞くなと騒いでいる輩がいるが、素人がいるからプロとして収入をえられるし、リスナーの大多数が素人でなければ音楽産業も成り立たない。大衆娯楽は誰でも気楽に楽しめるから面白いのであり夢ももてる。しかし、オーディオに関しては現在では一部の金持ちの娯楽としか思えないし、たかが音楽を聞くために何百万円も出すこと自体、無意味に長年オーディオというものを弄ってきた僕でさえそう思う。ステレオサウンド誌のオーディオを崇高な文化に変えるという姿勢自体が大衆からオーディオを飽きさせた一要因であったと今でも思う。(2013/5/31)

ミニチュアのフィルムカメラを蒐集しているが、カメラど素人だから集めるのが楽しいこともある

・・・オーディオ雑記帳 9・・・