オーディオ雑記帳 3

オーディオって結局は自己満足の世界だと思う
きっと、人に聞かせるほど良い音で鳴っているわけでもない
しかし、やはり自分の音が最高!と気ままに好きな機器を書いてみた

2004/11/10

隠れ家で有名なshuksさんの影響で本格的に仮のオーディオ・ルーム兼、倉庫を探し始めたが、なかなか新宿周辺で音だし出来る部屋が見つからない。そこで貸事務所を探してみたが入り口が狭いなど条件にあった部屋が見つからずにしばらく連絡を取っていなかった不動産屋を営んでいる友人を訪ねた。幸いそこで一括管理しているマンションがあり苦情も対応してくれるというので、当初の予定とは違い閑静な住宅街に部屋を借りることとなった。もちろん数年間オーディオだけを保管、維持するための部屋である。複雑な作りのマンションの一室で三方が隣の部屋に接していないので契約したが、残念なことに出入り口の吹き抜けの螺旋階段から思った以上に音が抜ける。また三方がコンクリートなので反響が多い。この2点を解決しなければ今のところ、まともな音出しは不可能だ。しばらくの間は小さな音で調整する以外手はなさそうである。長方形の部屋で大きさは約20帖ほど。しかし家族には内緒のため週に3、4日通えれば良い方かもしれない。さて、どんな音が出せるのか?・・・しばらくの間は苦労しそうである。


明け渡し時に友人に、おまかせで遮光性の高いカーテンを頼んでおいたので、日が落ち電気を消すと真っ暗になる。これならばプロジェクターを入れても面白いかもしれない。金もないのに悪い虫が騒ぎ始めそうだ・・・

先月のユニオンライブ以来、ニコン・クールピクス990を使い続けている。カメラはまるで素人だけれども、画質を裏切らないこのカメラは僕的には名機で、これで広角がもう少しあれば完璧だ。

2004/11/15

長い間探していた憧れのBBCモニターが幸運なことに手に入ったのは1年以上前。しかし置き場所が無く無理を言ってショップに預けておいたが、ようやく引き取ることが出来、内心ホッとしている。早速、秋葉原のオーディオショップ(ハイファイ堂)よりBBC5/1AとBBC3/1が、ヤフオクで知った名古屋のオーディオショップ(TRADE-UP)よりRogers510が2セット続けざまに届き、改めて所有の喜びに浸っている。

しかしBBC5/1、Rogers510はバカでかく、残りのJBLのハーツ、メトロゴンがうまく収まるのか?ソファーは置けるのか?少し不安だ。

BBCモニターで市場に出てくるものは状態が悪く何度か出会っているが、これまで購入には至らなかった。状態の良いBBCモニターが一度に出たときにはさすがに金策に頭を痛めたが、無理をして手に入れて良かったと今でも思う。こういうチャンスは2度と無いだろう。Rogersの美音に取り憑かれている僕には未知のスピーカーたちがどのような美音を聞かせてくれるのか?数年間はBBCがメインになる予定でJBLはしばらくの間、出番はないのかもしれない。

なぜ古いオーディオ機器ばかり集まるのだろう?現代機機も素晴らしいと思うが魅力があまりにも無いものばかり・・・だからかな?
マランツやレビンソン、オールドJBL、Rogersなどのように現代機機であと2、30年魅力を放つオーディオ機器があるだろうか?

この4組のスピーカーの値段は部屋の契約費用よりも安いので格安で入手できたと思う


BBC5/1とBBC3/1 この2つのスピーカーの駆動アンプであるBBC純正のAM8/4(EL34PP) は5/1のスタンドの中に収まるように作られていて、ロジャース製と言われている。

2004/11/16

BBCのアンプがあるので自宅からA730とML-6Lを持ってきた。

最初に聞いたCDは今井美樹。BBC5/1からはとろけるような甘い歌声が・・・
ただ置いただけのスピーカーなのに、BBC独特の美音がいきなり聞けたのには驚いた。セッティングで追いつめていけば、さらに良くなるだろう。ML-6LよりもLNP2Lでもう少しエッジの効いた音にしたいような気がする。明日あたり時間があればLNPを持ってこようかな?

2004/11/20

ようやく主役たちが入室した。

マンションの螺旋階段ではメトロゴンが運べないのでクレーンで持ち上げることに・・・メトロゴンはフロント・エッジや足が壊れやすく池田ピアノ運送の方も運び方に苦労していたみたい・・・ご苦労さまでした

配置はこんな感じかな??
スピーカーだけで一杯に・・・アンプ群どうしよう・・・ちょっと不安
それにレコードが数十箱入る予定で置き場所がどう考えてもない・・・(汗

BBCのパルメコ売るつもりでいたけど自宅で聞いたらやはり良い。まいるなぁ

2004/11/23

朝早くレビンソンを移動した。

ネット掲示板で「LNPはただの伝説で評判だけが先走りしている」などと書かれていると寂しく思うが、LNPはML-1やML-6のように繋いだとたん、その世界が分かるというものでは無いと思う。じつは僕も最初は「これが評判高いLNP?」と思ったほどだ。しかしLNPが他のレビンソンと違う100通りの顔を持つということを知ったのは購入から1年以上経ったころ。よほど感性の優れた人でないとLNPの奥の深さをすぐには理解できないと思われる。まして店頭や貸出機などで聞き「あれは駄目だ」と感じる人も多かったことだろう。けれども使い方次第では、LNPは高音質そのままで多彩な音質を得ることが出来る。(オーディオ雑記帳2参照)その人にあった最適ポイントを探し出せば、自分の感性に近づけることが出来る唯一のプリアンプ。 LNP、現代機と比べても劣らないばかりか、未だにLNP以上の魅力あふれた現代機器が見つからない。LNPは必ず豹変する。それが1年後か5年後かは分からないが、あるレベルに達すると突然キバをむく! 面白いことに豹変することはオールドJBLも同じで、僕がLNP、JBLから離れられない理由である。

予想通りLNPで聞くBBC5/1はML-6よりも締まった音だが正確な音のように感じられる。イコライザーを少し弄るとちょっとエロティックな音となった。BBCモニターの反応の良さに驚いた

評判以前の問題かもしれないが、最近のLNPの高値は異常だ。リスクがありすぎる。殆どが現状渡しで故障するとモジュール交換が30万!!もっと冷静に考えるべきだと思う。

2004/11/29

ダイナミック・サウンドハウスのA氏に預けていたオーディオ機器を運んでもらうついでに機器の運搬を朝早くから手伝っていただいた。自宅からマランツのアンプやプレーヤーを運んで部屋に入れたが、この他にレコードが入るとなると頭が痛い。機器を選びながら配線する予定で音楽鑑賞出来るまでには時間がかかりそうだ・・・

今日はただただ疲れた。

パワーアンプを配置する気力がない。2、3日はオーディオのこと忘れよう

2004/12/1

パワーアンプの配置が決まらない。BBCモニターはML-2L、EAR 861、BBC AM8/4で、JBLはマランツ#9、マッキンMC-240、サウンドフクオカMARK-1で様子を見るつもり

とりあえずパワーアンプを置いて音出しするときにはヨドバシカメラなどの量販店で売っている20m数百円のSP用ビニールコードと千円位の10m、7m、5mのピンコードを買ってきて各配置とコードの長さを確かめる。安物のコードはそれほど癖が無く機器そのものの音を素直に出してくれるので多用している。配置と長さが決まれば常用のベルデン(これも安物?)を用意する。
以前ケーブル依存症にかかったが結果は散々たるもので音楽自体を楽しめなくなった経験から昔から使用しているベルデンでじっくり音の熟成を待つことにしている。十数年使い続けているベルデンのオレンジジャケットなど新品のものとはバランスが違いとてもメーター数百円のものとは思えない。ケーブルは少なくとも2〜3年使用しないと本当によい音が出ないと思うが新しいケーブルを繋いだだけで評価できる評論家や次々に新しいケーブルに換えるオーディオマニアの感性はとてつもなく素晴らしく愚耳の僕には理解できない世界だ。

自宅のパルメコにJBL SG 520とSE 460を使用し、あれだけ気むずかしいパルメコがいとも簡単に鳴ったのには驚いたがJBLの底力に改めて関心した。
状態の良いJBLのアンプは極端に少なくなったが、手放せない名機である。
久々に駆動したがこれだけ鳴ればJBLを隠れ家に持っていっても良さそうだ

2004/12/6

LNPの奥の深さは長年使った人じゃないと分からないと思う。触った時間だけ発見がある

BBC5/1をLNPとEARで駆動すると素晴らしく色鮮やかな世界が・・・レビンソンとの組み合わせは絶妙だと感じている。ML-2Lに換えると恐ろしく静かになる。初期レビンソンの音量を上げれば上げるほど静かになると言う表現は経験してみないと分からないだろう。BBCのAM8/4を聞いてみると将来大化けるかもしれないこれもまた個性のある良い音・・・どれが良いのか?さっぱり分からない  しかもBBCの音は健在で3/1、PM510とLNPの組み合わせも魅力的・・・っでこのようなスピーカーの配置となった。なにかセンスのない置き方になっちゃったなぁ

しばらくはLNP+ML-2L+PM510、LNP+EAR861+BBC5/1、LNP+AM8/4+BBC3/1と、それぞれ独立した組み合わせで聞いてみることにしたが、最良の音質を得るにはまだまだ手探りの状態。当然、JBLの方はまだ手つかず、何とか年内には音を出してあげたいが、どうなることやら

2004/12/7

毎日、朝晩「隠れ家」に来てはちょこちょこ機器を動かし、もちろん音を聞きながら配置を決めている。まだ引っ越したばかりでLNPも寝ぼけているがBBC5/1が良い感じになってきた。微妙に動かすと面白いほど音の感じが変わる。510は音が少し堅いので時間がかかりそうだが、仮住まいとは言えある程度の音質まで引き上げたい。複雑なマンションのおかげで電源を共有する部屋数が少なく、電源が意外と綺麗。しかも部屋には40A引き入れてあるので今のところ余裕であるが手持ちのクリーン電源(アキュフェーズ PS1200、PS500、CSE FX600、F400)を使わないまま行くかどうか?悩むところである

2004/12/16

さて、事務所に使っていたLNPを隠れ家に持っていき、さらにお気に入りのCD-19まで息子に取り上げられてしまった仕事場では音楽が鳴ることなかったが(コレが普通?)とうとう我慢が出来なくなり残ったガラード401とEAR861、ロジャース5/9で新たにシステムを組み直すことにした。プリにはちょうど極上中古のEAR834Lがすぐに見つかったがEAR834Pが見つからず、しばらくの間CDだけで過ごすことに・・・しかし又やってしまった。いつもの通り格好だけで中古のCDプレーヤー(ミュージカル・フィデリティ)を買っては来たがコレが実に音が悪い(ただ相性が悪いのかもしれないが)ガッカリするが隠れ家で散財中、このCDプレーヤーで我慢我慢。ところがレコードを聴きたい一心で金欠病の最中、ヤフオクの自作フォノアンプを落札した。”繋ぎ” のつもりで入札したが、届いたフォノイコはとても市販の2万円では出ない音質。作者の感性もなかなかもので(高性能なフォノイコに比べると幾らでも不満は出てくるが)レコードの聞かせどころを実に良くわかっている。欲を言えば高域の質感と中域の厚さが少し改善されればフォノイコを捜す必要が無くなるのだろうと思う。(たぶんパーツの選択や真空管の選択で解決できると思うが)金欠病の時に良い買い物をしたと思う

視聴はオルトフォンGTE。DECCAでは全く駄目でカートリッジの相性は(特に最新カートリッジでは)かなりあると思うがオルトフォン専用として考えれば、かなりのお買い得。しかし自作品なので市販品に比べると個体差はかなりあると思われる。

2004/12/22

毎日のように隠れ家には通っているのだが困ったことに一向に片づけが進まない。早くレコードを持ちこなければならないのだが、オーディオを鳴らすと、つい聞き込んでしまう。まだレビンソンに、かかりっきりで配置を動かすたびにLNPの再調整。しかしLNPは本当に面白い。それに加えケーブルを新たに作らなければならず意外と時間をとられてしまう。ケーブルはマイクロフォン用のベルデンの8412、8422を中心に同じくベルデンのテフロン加工してある細いケーブルをところどころ調味料のように使い、音が決まったらそのまま熟成を待つという金のかからない方法、だが僕には一番合っている。どうも高価なケーブルは鮮やかに変化する事もあるが良い方向へ行かないことが多く、違和感を感じる。次から次へと新作に繋ぎ換える人がいるが僕の耳で聞くと大して良くない。他の人が聞くと音の変化などそんなものかもしれない。所有者が熱烈に言うほど変わっていないし、良い音ではないのだ。だから次々と繋ぎ変えるのかもしれない
(完全バランスではないが)バランス接続の場合レビンソン(LNP)は#3HOTなので自作した方が早く安くできる。問題はハンダだが幸運にも下手さは均一であまり音質に違いは出ないと自負している。ベルデンを使う理由は僕の意に添った音が出るからで熟成するとさらに素晴らしくなるからだ。

参考資料:自作したことのない人のためのページで参考になると思う。ただし無許可リンクなのでクレームが来たら削除します
ケーブルを自作する!−バランスケーブル編−
方向性のある2芯シールドケーブルの作り方

僕の周りには悪いことを囁く人が居て、来年早々オーディオが少し変わるかもしれない


仕事の合間にベルデンの極細ケーブル(m/300円)でEMT930のケーブルを作ってみた。どうも僕は異様に太いケーブルが大嫌いで細めのケーブルを好んで使う場合が多い。
EMTのコネクターの結線図です

2004/12/29

私のケーブル製作法というHPを見つけた。今までの常識が・・・通じない?

2005/1/1

僕の周りにある機器で一番のお気に入り・・・ソレ一筋という機械が1台だけある。なぜ浮気しないのか?答えは簡単でそれ以上に僕を魅了するものが無いから
新品を購入して以来、十数年一緒に連れ添っているボーイズサイズの手巻きクロノグラフ。タグホイヤーの復刻版?らしいのだがよく分からない。毎年分解掃除に出してはいるが維持費が結構かかる。さすがにリュウズはすり切れて代用品を使っているし、一日に数分狂う。しかし面白いもので、この時計で判断すると正確な時間がほぼ把握できる。夜寝るときに聞こえる「チッチッチッ」の音が心地よく無音で正確なクォーツに買い換えるつもりなどサラサラ無い。人間味あふれるご自慢の逸品である

僕にとってはオーディオ機器も時計と同じかもしれない。近年安心して一生連れ添うことの出来る魅力的なオーディオ機器が少なくなってきていると感じるし、愛用しているものを越える魅力的な機器も出てこない。むしろ浮気してみたいオーディオ機器が出ればよいのだがレビンソン以降は全く・・・皆無。レコードにしてもオーディオ機器にしても時計と同じような「チッチッチッ」という音の心地よさはSACDやDVD-Aを持ってこようがデジタルアンプを持ってこようが代用品が無いのだ

最新型の機器など目に入らぬ愛してやまないアナログ・レコードやオーディオ機器が手元にある。それは僕にとって一番の幸せかもしれない

2004/1/2

LNPの比較

オールドレビンソンに興味のある人で一番多い質問は、バウエンモジュールの音質について。しかしSS誌で故岡氏が語っていたとおりレビンソンモジュールとは異質のアンプで比較する対象では無いのかもしれない。僕もLNPとは別物のアンプであると思うが、レビンソンの音には違いないという感想を持っている。さて、BBCモニターに使用するためのLNPをあれこれ繋ぎ換え選ぶ作業をしたついでに個人的に感じた音質を比較してみた。さて、レビンソンに関する評価は全てに於いて優秀な音質で評価が悪いからと言って決して悪いわけではなくレベルが全然違う物と判断して欲しい

音質的に大まかにはLNP(バウエン)、LNP(LD2)、LNP(LD3)と大きく分けられる。細かく分けるとLNP(LD2)はRCA(LNP-2)、レモ(LNP-2L)よりもシリアルで分けた方がハッキリと音質が変わるかもしれない。1400〜1600、2000〜2200前後をピークにして少し音質が変化するようだ

バウエン:色が濃く一見普通のアンプのように聞こえるが見通しの良さや音場感はLD2と比較しても劣らないだろう。LD2と同時に比較してしまうとLD2が「トランジスタっぽい」音に聞こえてしまうくらい自然に聞こえる。自然に聞こえるから普通のアンプっぽく聞こえるのだと思う

1400〜1600:透明度が上がるが決してやせている音ではない。それなりに太く音場感もバウエンと比較にならないくらい出てくる。しかし色が薄くなり高域がきつく感じるかもしれないが、妖艶なレビンソンの響きと言う点ではレビンソン中、一番濃いように感じる

2000〜2200:レビンソンが一番レビンソンらしい音である。透明感、音場感ともにグ〜ンと上がりピンポイントで音が出てくる感じ。しかし長時間聞いていて疲れる人が出てきてもおかしくないくらい身構えてしまうほどの緊張感がある。LNPを比較して選んだ場合1400〜1600、2000〜2200と選択する人が半分に分かれるのではないだろうか?

LD3:LD3が使用されているのはフォノモジュールだけなのにLD2とは違う音。不思議だ。各部分見直されている可能性があるがどちらかといえばML-6Lのような「柔らかさ」が入った音質でLNP独特の堅さが無くなり完成度という点では一番高いと感じる

BBC5/1に使用するLNPはバウエン以外無かったが、ロジャース510では最後までバウエンかLD3か迷った。ふと気づくとLD3の色を少し濃く、太くするとバウエンに近くなる。この表現が一番合っているし最後まで迷った理由であり、結果、音場感よりも色の濃さ、太さを取った形でBBCスピーカー2台ともバウエンモジュールでドライブすることになったが、この比較の差はとんでもなく狭い範囲での差。またLNPは個体差もあるので参考になるかどうかわからないが、(あくまでも私的感覚である)バウエンの音質が少しは文章でわかって頂ければ幸いである。

もちろん、(BBCモニターでは)ソフトによって選択するLNPが違うのは当然で、ロック、ソウル系だと迷わずに後期のLD2かな?クラシックだとスピーカーにもよるがLD3。ジャズボーカル系だと前記のLD2と言うような僕的には感覚かな?

2005/1/9

後、数日でオーディオの搬入が終わる。ようやくレコードを搬入できるとなると何故かホッとする。朝から車で往復して(ユニオン60枚用の箱で)30箱近く一人で運んだが疲れた〜。しかしこれでも1/3ほどで全てのレコードを部屋に置くのは無理かもしれない。今のところ1/3ほど処分するしかなさそうだ・・・
ついでに少し部屋らしくするために玄関にオートグラフを置いてみた。(笑)

ジャズのレコード5000枚というと名盤ばかりではない。その殆どが2流3流のもので市場に出ても殆ど値が付かないレコードばかり・・・良くもまぁここまで買いあさったなぁという感想しかなかった。そして今後聞くことがないかもしれない「フリー・ジャズ」。箱にすると4、5箱かもしれないが苦労して集めた思い出があるだけ手放せない。もしもモダンジャズばかり1000枚選んで後は処分したら気持ちよいかもしれないが、まだ決心が付かない

2005/1/12

さて、未だに音楽の鳴らない「レビンソンBBC」だがML-2Lのパワーを追加してブリッジ接続としてみた。殺し屋店長との異名を持つA氏「ここまでやったのだったら、とことん行きましょう」の一言。「レビンソンBBC」を意図する音にするにはまだまだ時間が必要である。

このように安心してレビンソンに打ち込めるのは(この部屋で、まだ音出しはしていないが)長年使っているメインのマランツ#7、#9、ハーツフィールドがあるからで、何時でも僕の意図している音が出てくる自信があるからだと思う。一つの音で十分じゃないかとの批判も出てくるだろうが、マランツ同様レビンソンにも魅力を感じているので最大限その魅力的な音を出す努力をしてみたいし、ちょうど年齢的にも最後のチャレンジだと思っている

僕には計画がある。50歳になるまでにオーディオを完成して、その後10年間は集めた音源をじっくりと聞き込むという計画。思いついたのは10年くらい前。ジャズ・アナログ再生での機器はその殆どが集まったように思う

僕の隠れ家にはこれ以上オーディオ機器が入らないのに「モアさん、聞いてみます?」との誘惑に負け、浅はかにもその人物の思惑通り、購入を決めてしまった(幻の機器)DECCA デコラ。
そして、今日、デコラが運ばれてきた。ポンと置いただけなのに、僕はこのデコラの音を文章に書けない・・・いや、表現する能力がない・・・まるで色とりどりの宝石のような音としか表現できないし、デコラ自体まるで(音を聞いた後には)宝石箱のように感じる
ブリッジ接続のお手伝いをしていただいた百戦錬磨のA氏も黙って聞き入っていたので何か感じるものがあったのかもしれない

2005/1/15

デコラが来て以来、僕のオーディオ感が全く変わってしまった・・・
長年付き合ってきたオーディオたちの音が全てモノトーンに感じられる。オーディオでこんな衝撃的な経験は今まで無いので戸惑っている

デコラを聞いた後レビンソンもマランツもBBCもJBLも困ったことにモノトーンになってしまった
使いこなしとかケーブルとか今までの努力は???自分がバカに思えて笑いがこみ上げてくる
もう少し早く会えば音楽だけを楽しめたのに・・・でも、出会えたことに感謝しなければ
今はデコラにあった書斎が欲しい

デコラは僕に言う
僕と付き合うのなら、音楽は僕が聞かせてあげるから、僕の側でもっと知性を付けなさいと

2005/1/18

デコラについてもう少し・・・

オーディオ雑誌のようにオーディオ評論は聞いてもいないのに誰か有名な人が絶賛すると如何にもよい音が出ていると感じてしまうものだ。デコラも例外ではなく古い雑誌での評価は高い。しかし他のオーディオ機器でも同じだが、所有者のみなさんが(全ての音楽を)最高の音で聞けるわけではない。それには電蓄といえどもノウハウが必要で、長年にわたっての経験がありデッカ・カートリッジの性格やこれに合うレコードを一瞬でチョイスできる事が出来なければ簡単にはこの音質を手に入れられない。アナログレコードを表面でしか知らない人やデッカ・カートリッジの激しい性格を熟知していない人がポンと置いても(そよ風のような、空気のような)空間に漂う音楽を得ることは難しいと思う。僕のデコラがデッカのアームではなくデコラの高級仕様のガラードのターンテーブル・アームが付いていたならば購入したかどうか分からない。音楽を鳴らす自信がないからだ。

デコラのネットにはグリーンとブラウンがあり発売当時チョイスできたのか分からないがグリーンネットは初期型に使用されたものではないか?と言う人もいる。シリアルは101×で1001からの製造番号だと1×番目となるが詳しくは分からない。この他AUX 端子もあるのでCDも聞けるが何か場違いな感じがして繋ぐ気にならない。またツィーター用の外部補助端子も付いているが高音に関しては全く不満を感じないし、使用するとかえって音質を悪くするような気がしてならない。チューナーの音質は音楽観賞用としては多少不満がのこるが立派なもの。電源はこの頃のイギリス仕様らしく世界で使用可能な100〜240V

「生きている!」

そう、デコラは生きている! と書いて殆どの人が笑うであろう。しかし、そのように書く以外書きようがないのだ。まるでこちらの気持ちを知っているようにデコラは音楽を奏でてくれる。オーディオ機器がその日の気分、天気、湿度によって音質の感じ方が違う経験を持っている人も多いと思うが、デコラにはそれがないのだ。こちらの気持ちに合わせて最良の音質を聞かせてくれる。面白いことに同じ感じ方をしている人が同じようなことをSS誌別冊「サウンド・コニサー」に書いている。・・・まさか「生きている」とはさすがに書けなかっただろうが、僕が著者と同じ感覚を持ったことはほぼ間違えがないと思う。ここに書いてあることはデコラを所有した今、頷くこと以外僕には出来ない。デコラを知らなかったら笑いながら読むだけだっただろう。

デコラを言葉でなにか慎重に選ぶとすると、「風景」という言葉を使いたいですね。ぼくは聴いていて「風景」が見えるような感じがするんですよ。
---中略 ---
冬に聴いていますと、夜など、雪がしんしんと降り積もっている様子が頭にうかびます。夏に聴けば、風がすーっと川面をわたっていくような感じ、春に聴けば春うららっていうような感じ。自分の気持ちのもちようとか四季のうつりかわりに、わりに反応するような気がする。池田圭氏も夏に聴きにこられて「庭をあけてたら景色とよく合う、こんなのはめずらしい」といわれてましたんで、ぼくだけがそう感じるというのじゃないと思います。レコードを聴きながら、いつも風景を見させてもらっている。逆にいうと音から季節感のようなものが感じとれる、それがデコラのよさでしょうね。
---中略 ---
「風景がみえる」というのが、やはりぼくは最もふさわしい表現だと思います。

最後にSS誌別冊「サウンド・コニサー」写真の説明文がデコラの全てを語っている
これぞ幻の名器、デッカ・デコラ。伝統的な英国家具調の仕上げは優美そのものである。ずば抜けて深みのある再生音は、英国の叡智の結晶とも称すべきもの

2005/1/19

デコラが来てから1週間。未だに最初の衝撃は消えない
これ以上デコラについて書くことはないが、最後に僕がデコラにしてあげたことはコンセントを入れたこと以外無い
幸いしたのは多少レコードの知識が僕にあったことぐらいで、それが全てである

2005/1/24

活躍の場がなかなか無いメトロゴン。どうにか音だししてやろうと、STUDER A730→JBL SG520→SE460で気軽にCDを聞けるように組んでみた。
ねらい通りBGM的な?音が出来上がったがメトロゴンのためと言うよりもアンプを壊さないために組んだのかもしれない
しかし、SG520のデザインは今見ても古さは感じさせない。なぜこんなにJBLのスピーカーにマッチするのだろう?

みなさん勘違いしないでほしいが4年間、機器を壊さないために鳴らしているだけで倉庫代わりに使っているこの部屋では満足する音は出ていない。たぶん、現時点では何を聞いても僕が経験した最低の音だと思う。今まで古い木造の一軒家で土壁が良かったのか?どのような機器でもほぼ満足できる音質で楽しめたがコンクリートに囲まれた部屋では非常に難しいことを思い知らされた。
デコラも本来だったら、もっとよい音だと思う。他の機器がただ鳴っているだけの状態の中で、デコラの音質は凄いと感じる。また、無機質にならないSTUDER A730もこの部屋では頑張っていると思う

さて、その後ML-2Lのブリッジはどうなったかというと神経質な音だったML-2Lが少し穏やかになり色が濃くなった。どちらが優秀かは判断できないがブリッジの方が僕の好みに合っている。しかし、エアコンを入れると同時にブレーカーが落ちてしまう・・・

2005/1/29

レコードを半分持ち込んだ現在の部屋の状態。これ以上レコードを搬入すると椅子を置くスペースがなくなる

デコラ以後、オーディオで変化したことと言えば Wadia Pro+WT-2000 をStuder A-730 と物々交換したこと。Wadia Proは気に入っていたがどうもトランスポートまでWadiaにするとCDのいやらしさ?が前に出てきてしまい、どうも僕の機器では合わない。Wadia Proは2台所有しているので交換の話はすぐに話がまとまった。僕は耳が悪いのか?アナログに比べてCDの音が気に入らないことも多く、今まで聞いてきた中ではマランツCD-19(安価だがなぜか気に入っている)、A-730、フィリップスのLHH2000、LINN CD-12 位しか印象に残っていない。非常に高価なCDプレーヤーも個人宅で聞かせていただいているが、確かに綺麗な音、凄い音ではあるが音楽が楽しめない、心が躍らないのだ。何故だろう?

A-730はバランス出力で使うことが多く、希にWadia Proに繋ぐが、殆どは単体使用。CDの音は今一歩と言うところで止まってしまう。次世代メディアだと違うのかな?

全ての機器に火が点くようになった。あとはケーブルをうまく纏めなければならない。といってもデコラ以外の音は・・・笑っちゃうほど全然駄目である。部屋の問題は大きいなぁ
調整中のモノラル専用のガラード301(初期ハンマートーン・グリス)が仕上がったらハーツフィールドをモノ専用で使う予定

2005/3/7

  ・・・ん? おぉ!!  なんとなくカッコイイ部屋になった ような気がする

2005/5/10

忙しくてハードディスク・レコーダー(BIBIO JUKEBOX)を購入していが数週間もの間、設置していなかった。ようやく時間が空きオーディオ機器につないでみた。40GBのハードディスクにアナログ入力で自動的にMP3形式で録音されるが音質はアナログの雰囲気をそのまま録音できCDよりも聞きやすいかもしれない。感心したのは入力信号に完全にシンクロしていて信号が入ると同時に録音され、また曲間(無音時間)の時間指定で綺麗に曲を切ることが出来る便利な機能もついていて、しばらくの間遊べそうだ。無線LAN接続でインターネット・ラジオも聴けるしiPodとはまた別の形でおもしろい。LPで何枚はいるのか?分からないが愛聴盤を数十枚入れたらデコラにつないでみようかと思っている。(本当にオーディオやレコードの前では、まだまだ子供みたいだ

・・・オーディオ雑記帳 4・・・