オーディオ雑記帳 2

オーディオって結局は自己満足の世界だと思う
きっと、人に聞かせるほど良い音で鳴っているわけでもない
しかし、やはり自分の音が最高!と気ままに好きな機器を書いてみた

LNP-2(L)


愛用の最初期モデル、入手したときには当然ウッドケースは無かったが、本体保護の目的で入手後ウッドケースに入れた

マークレビンソンLNP2(L)発表後、熱狂的なオーディオ評論家により一躍有名になり、以来日本中のオーディオファンに愛され続けて30年近く経っている。その魅力は依然衰えることなく、インターネットが普及するにつれLNPの魅力について書かれると、ますます人気が出てきた感がある。リアルタイムでLNPを経験した人、憧れていた人、LNPを知らない人まで巻き込んで最近ではLNPが中古店で出ると殆ど同時に無くなってしまうらしい。しかし現状ではモジュールが壊れると30万ものお金がかかる。幸いハーマンで作らせたLD-5のモジュールは良くできていてLD-2、LD-3と比較しても殆ど違和感がないとの情報も入っているのでこれからも長く付き合えるアンプであることには間違いがない。

LNPだが20年以上経つと意外と個体差が出てきている。しかし独特の透明感、研ぎ澄まされた若きレビンソンの感性はどのLNPを聞いても健在である。電源を入れてからの立ち上がりは遅く今では1週間以上もの時間を費やさねばレビンソンの世界を描ききれないのは年数のせいだろうか?昔はそれほど時間がかからなかったと思ったが・・・

LNPはレコーディングのミキサー的な目的で開発されたと聞くが、なるほどテープ入力を使うと若干音の立ち上がりが良くなる気がする。以来フォノイコもCDもテープ入力を使っている。LNPの最大の魅力はトーンコントローラー(イコライザー)にあると感じている。しかしJC2、ML1やML6などでシンプルさが音質を良くしていると当時喧伝されたためにLNPを使用している方でもoffにしている人が殆どではないか?しかし使用してみると音質の劣化を感じることなくレコードやスピーカーが補正でき、個々の魅力を最大限に生かせる素晴らしい機能で後日チェロのオーディオパレットに受け継がれたものと確信している。この小さなプリアンプのLNPの最大の魅力はこのトーン(EQ)を使い繋がれている機器の最大の魅力を100%引き出せるというもので、コレを使わないLNP所有者はじつに勿体ないことをしていると気づくべきだ。

しかしLNPでも欠点がある。LNPフォノイコはML6に比べるとその表現力に劣りLNPのトーンをうまく使おうが、おいそれとは追い抜けない。(間違って貰っては困るがLNPのフォノイコは優秀で当時から現在までLNPフォノイコで描かれた世界を抜かせるものは僅かであろう。)
仕方なくフォノだけはML-6を使っているがコントロールアンプとしては、ほぼ完璧でLNPで描かれた世界はレビンソンの天才的な若い感性のまま詰め込まれ、その魅力は現在のハイエンドの音に慣れた人々も魅了する事は事実。しかしレビンソンの世界を過信することは禁物である。繋がれる機器(パワーアンプなど)によってはレビンソンの世界を描ききれないことがあるからだ。よく店頭で一聴して「良い悪い」を判断するオーディオマニアがあるが僕はその人たちの言葉は信じない。レビンソンの世界は自分の部屋に持ってきて初めて知ることになるだろう。

僕はレコードでもオーディオでも色々なことを書きたいのだがインターネットの発達した今、うっかり書くと相場を上げてしまう可能性がある。事実クレルが良い!とあるHPで盛り上がると相場まで上がってしまった。LNPも僕が書き始めた頃は相場は安定していたが最近では僕の書いた頃よりも10〜20万高くなっても取り引きされているみたいだ。レコードも同じでなるべくなら安くよい音で楽しんで欲しいという気持ちで書いていることが・・・残念でならない
特にRCA端子のLNP2が昔に比べ相場が上がったみたいだが、考えてみたら発売数がLNP2が約500台、LNP2Lが約1150台と少ないからだろうか?

25年前ちょうどオーディオと言えばレビンソン一色だった頃、待ちに待ったLNP2Lが届いた(こんな感じかもしれない)

ちょうどSS誌で瀬川氏がLNP、ML6について熱くその魅力を語っているとき当時196万もしたLNP2Lを使えた人は一握りのお金持ちで、僕らはML-1Lや中古JC-2を長期月賦で購入しその音質にビックリ!そしてLNP、ML6はさぞかし素晴らしいと憧れた。LNPの写真があると1時間でも2時間でも見てられた。
ちょうど70年代後半出荷の(シリアル19××)LNP2Lはこんな箱で幸運な人の家に届いた
さて、梱包は本体と電源、ウッドケースと2つの箱で届いたがウッドケースは日本(輸入元FR)で作らせた箱で外装の箱(紛失?)はレビンソンのマークは無かったように思う

外装の箱を開けると中からLNPが顔を覗かす。LNPの黒のフェイスがよく映える豪華な青色の梱包材に囲まれ、いかにも高価で凄いんだと主張しているようである。本当は透明ビニール袋で覆われているが撮影のため取り除いた
綺麗に包み込まれたLNPを取り出し付属の足ゴムを取り、ウッドケースに入れるまで、その緊張感はLNP特有の醍醐味かもしれない。当時の取り説は次の通りだったが、僕がML-1Lを購入したときペラペラの英文コピーしか無いと思ったが・・・
当時の保証書、取説(英文)、LNP-2L、ML-2Lのカタログ、その他に取説を翻訳した輸入元RFの簡単な日本語コピーがあった

LNPは日本でよく売れ、生産台数約1600台のうち半分以上は日本にあるのでは?このように中身に手が全く入っていないLNPも数多く存在すると思う
このLNPもRFのシールで封されている。あるショップ経由で入手したが前の所有者は瀬川氏に強く影響された人らしく、出力バッファー・モジュールを積んでいる可能性が強いが封を切って天板を開ける勇気が無い。たぶん、壊れるまで真実が分からないであろう。このようなミント・コンディションのLNPは市場にあまり出回らないが所有者は多い
低価格CDプレーヤー marantz CD-19

レコードの音質ばかり追いかけてCD再生をおろそかにしているわけではない。もちろん新譜も聴くことがありそれなりの音質で聴きたいと思うのは誰でも同じであろう。さすがに黄金期のモダンジャズの音質をCDで求めるのは無理があるが最近の新譜はそれなりの音質であると思う。ちょうど事務所においてあるアナログプレーヤーをガラード301から401に交換するために3週間くらいアナログを聞けない時間を使いCDをもう少しよく聞けるように努力してみる気になった。もともと事務所に置くCDはおまけと考えていて当時SS誌でみて評価の高かった?マランツCD-19というのを格安で購入してそれほど不満もなく聴いていたが、聴いていると耳障りな高音に耐えきれずCDトランスなどというものを使ってみた。ウェスタンの111CとカンノのMO-11WCDというのを使ってみて耳障りな高音は消えたが何となく違和感が残る。思い切ってステラボックスのST2 96/24というDAコンバーターを購入。なるほどトランスよりも若干良くなったかな?という印象しかなかった。以後トランスとDAを頻繁に入れ替えることになるが大きく音質が変わることも無かった。ダイナサウンドハウスのA氏のところへはちょくちょくと遊びに行くが、ある日ワディア・プロを発見!(このDAはレビンソンプリに顔がそっくりでいずれML-6のケースにML-1LとwadiaPROを入れて遊んでみたかった)視聴OKということで持ち帰り早速繋ぎ変えてみた。これがLNPの音質と絶妙に合いなんとCD-19が悩ましい音となった。普通だったらここでトランスポートを交換すればされに良くなるのでは?と考えるだろうが、この音も崩したくはない。トラポ用にはA-730とwadia WT-2000を用意してはあるがCD-19の方が気軽に使える。しかし音が一様満足するとアナログプレーヤーみたいに触れる場所がない。そうなるとやはりケーブルや電源でよい音をと言うことになってしまい当然電源、ケーブル注目をあびるようになる訳だ。アナログを触っている人から見るとなんて趣味性が低いのだろうと思う。しかしCD-19の価格帯(3万円台で購入)のアナログプレーヤーシステムでは絶対に到達できない音質であることは確かでCDはオーディオの音質の底辺を大幅に持ち上げた画期的な商品であることは間違えのないことだが、CDによって音質の上限は決して上がっていない
marantz CD-19→wadia PRO→LNP2→EAR861→Rogers 5/9
LD2、LD3、バウエン・・・LNPのことなど

LNPを含むオールド・レビンソンは確かに現代機にはない魅力があり未だにその輝きを失ってはいない。ネットではオールド・レビンソンを所有したことのない人が適切に調整されているレビンソンも知らずに「古い」だとか「劣化している」とか議論しているがハーマンで劣化したコンデンサーや抵抗を交換してモジュールの足や接点を洗って見違えるような音質となるオールド・レビンソンを聴いたことがないはずだ。そのようにして聴いているLNP使用者には若い輩がなんと言おうと相手にしないのは当然である。決して昔に劣る音質ではない。しかし最近のLNPを含むオールド・レビンソンの中古市場での異様な人気ぶりは少しばかり注意が必要である。20年以上も経っているオールド・レビンソン、実はいつ壊れてもおかしくない状態であり、古くからレビンソンを使用しているファンには最近の高騰ぶりはモジュール確保のために日頃中古店を回っている我々レビンソン・ファンに大打撃である。特にML-1L、JC-2、ML-6などはメーカーでモジュールを作っていないので他のオーディオショップが作っているモジュールで音が出たとしてもレビンソンの音質は保証できない。LNPに関しては幸いハーマンで作っているLD-5(工場移転のために2004年秋から出荷?)がLD-2、3と比較しても優秀ということで高価だがしばらくは安心して楽しむことが出来る。このようなリスクがあるが音質を考えると高価な出費、モジュール確保の苦労も気にはならないはずで実際に多数のオールド・レビンソン・ファンがその魅力に惹かれている。
侮れないのがLNPでこのプリアンプを自分のものにするのには一筋縄ではいかない。手放す人の多くはその魅力を発揮できずに諦めた人が殆どであろうが、その潜在能力は無限でML-1L、JC-2、ML-6などとは扱い方が全く違うプリアンプである。生かすも殺すも所有者の腕次第で、僕も未熟でまだまだ可能性を秘めていると感じている恐ろしいプリアンプである。LNPといえば普通の人たちが出会うのはLD-2搭載のLNPであろうが、初期には有名なバウエン・モジュール、さらに最後期にはLD-3が搭載されていてこの2種のモジュールは極端に少なく、音を経験した人もそんなに多くはないはずだ。初期バウエンに関しても日本のコレクターに言わせると1036まで正規出荷とされているが7、80番前後まで飛び飛びに搭載されていた可能性が否定できない。ふたを開けたらバウエンだった。という話も多く、確かに正規代理店のものはバウエンは無かったかもしれないが、アメリカより個人輸入されたものに多く搭載されているみたいだ。僕のバウエンモデルも一台は3×番でもう一台は7×番に搭載されていたものを1400番のLNP2にハーマンで移し替えてもらったものであるが、モジュールは3×番と同じようにキチンと揃っていた。
LD-3はバウエンと同じように出荷台数が非常に少なく、こちらもおそらく聴いた人が少ないモデルであろう。製造は最終出荷までの1年数ヶ月間で100台に満たないのかもしれない。しかし何故?レビンソンが初段にしかLD-3を使わなかったのか疑問が残る。LD-2搭載のLNPでは初段に特にローノイズなLD-2を選別して挿していたと言うが、それをより優秀なLD-3に換えるのは解るが終段まではLD-2のまま使われている・・・ここら辺に若きレビンソンの最終的な答えがありそうだ。僕もLD-3搭載の最終型LNPを経験していない。しかし幸運なことに僕の手元にもう少しで届く・・・若きレビンソンの最終的な答えが見つけられるのは数年後かもしれない。


1400番台に移植した7×番のバウエン・モジュール。初期モジュールには色別の丸いシールが貼ってあることが多いが、これは選別などの意味があるらしく移植しても配置を動かしてはいけない。別項「レコード再生の機器たち」でのLNP・3×番の基盤とかなり変わっている。正規出荷と米ショップが差し替えたバウエンの音質の差はモジュールの選別にあるのかもしれない
冷静になって考える時期に入っているのかもしれない〜JBL SG520〜


常時通電しているSG520、ランプが消えているが、このアンプのランプはよく切れる。簡単に換えられるが手持ちが切れてしまった。秋葉原に行かないと手に入らない。豆電球の種類は32vのスワン型である

最近オールド・レビンソンとともに値段が高騰しているアンプにJBLの古いアンプがある。購入される皆さんリスクを全く考えていないようだ。SG520、このアンプどこを直してもJBLの音には戻らないと言っても過言では無いほど難しいアンプであり、古くからのファンは2台、3台と所有してパーツを外しながら使用しているのが現実である。現在多くのビンティージ・ショップで扱われているが、海外オークションや買い付けで安く輸入されたレビンソンやJBLのアンプが倍以上の高価な値段で飛ぶように売れる現実はビンティージ・ショップではおいしい商品なのであろう。だが冷静になって考え直してほしい。30年たった劣化したパーツは何時壊れてもおかしくはなく、実際古くから使い続けて人一倍気を遣っているベテランなどの所有している機器たちも壊れているのが現実で、全くの初心者がJBLを使うこと自体無謀に感じる。しかも各パーツが取り替えられているにもかかわらずに無改造などととんでもない値段を付けているショップも多い。確かに状態がよいSG520の音は何者にも換えられない音質ではあるが、最近SG520での無改造は僕は見たことがない。僕が同じようなアンプを何台も所有している理由も、後20年はこの音で聞きたいための無駄?な費用であり、また保有している大量のアンプも壊さないように気を遣うのも大変である。少なくとも全アンプは梅雨時の1ヶ月半もの間は通電するし、各パーツはカメラ用の電子式ドライボックスの中で保管している。このように気を遣っていても壊れるものは壊れる。ショップでは何ヶ月かの無意味な保証を付けてくれるが、修理費用の有無にかかわらず音質は二度と戻らないレビンソン以上に管理が難しいアンプである。パーツを取り替えられた(トランジスタ、ボリューム等)JBLのアンプは普通の普及品トランジスタ・アンプ以下の音になってしまう場合が殆どである。

注:最低でも購入の時には天板を開けさせどのパーツが変わっているかショップに説明させる必要がある。SG520のケミコンは消耗品であるが同じものは入手不可能で代替えのものによっては大幅に音質が変わる。

PLS-150、153


梅雨時期に入る前から一斉に通電が始まるレビンソンとPLS-150、153

LNPは常時通電が前提ではあるが保管用のLNPは1、2ヶ月おきに電源をon/offしている。梅雨時の1ヶ月半は必ず保管用の全LNPに電源を入れる。今まで何気なく付属の電源(PLS-150、153)を使ってきたが掃除ついでに6個並べて愛用のLNPで各電源を取っ替え引っ替え聞き比べてみた。実はML-6の電源や弁当箱?も含めて視聴したかったが12個という数になってしまいさすがにそれだけの回数電源のon/offを古いLNPでやる勇気がなかった。しかし音の方は驚くほど音質が変化し良いものと悪いものがはっきりと分かれた。同じ型番でもこれだけ音質が違うと・・・たまたまLNP付属の電源に悪いものに当たってしまったら・・・そのLNPは全く使い物にならないと感じる。何がどう違うのか?一度電源を開けてみてパーツを調べてみる必要がありそうだ。

RFが初めて作ったLNP-2Lの日本語の取り説は意外と遅く発売されてから5年以上経っているので79、80年頃だと思う。それまでは英語の取り説しか用意されていなかった。しかもLNPの所有者に配布されたはずだが案外、愛用者カードを送っていない人も多くあまり出回っていないらしい。たまたま僕のところに日本語の取り説がありコピーを頼まれることが多い。時間はかかるがHPで皆が見られるように公開しようと思いますが、なにせ時間がないので当てにしないで待っていてください。

歯ブラシ 〜インタースペース・ブラシ〜

歯ブラシといっても歯科医院で売っている歯ブラシで、これがカートリッジの針の清掃に大変に便利。子供の治療のために連れて行った歯科医院の待合室で目に付き、針清掃に良いのでは?と思いついた。1個購入して試してみたら実に使い心地が良く、次の週に毛先の柔らかいものと堅いもの2種類を4個買って受付で不思議がられた。丁寧に針先を清掃すると見事に綺麗になり試してみても面白いと思う。きっと、こういうものがオーディオ・アクセサリーとして発売されると「カートリッジ針最高級清掃用ブラシ」となり800〜1000円の価格が付けられるのかもしれない。オーディオ・アクセサリーほど摩訶不思議なものはない。参考価格1本280円

・・・オーディオ雑記帳 3・・・