再発盤って?


jaro jam-5004
いったい、かつての名演(5、60年代)の再発盤って何枚くらいあるのだろうか
たとえば本当に大雑把ではあるが(決して正確ではない)人気のあるジャズのブルーノート盤を見てみるとオリジナル盤がレキシントンラベルだとすると63NY23ラベル、63rdラベル、NYラベル、その後リバティ、ユナイテッドなどの傘下に入りそれぞれ2、3回は再発される
後に新生ブルーノートから出たり、高音質盤が出たりアメリカ盤だけでも結構ある
日本盤ブルーノートでは東芝やキングに版権が移るたびにレギュラー盤、限定盤、特典盤など正確には解らないがこれも結構ある。それぞれ再発盤が出るたびに音質が異なる。日本盤だけでもキングのようにオリジナル盤を聞き込みそれに近い音を出す企画盤を出したり、オリジナルのテープの音を加工せずにカッティングする企画盤を出したりでその中から良い音質を捜すのも一苦労だ。カッティング・エンジニアが違うと音が違うし、テープも酷使され劣化する問題もある。同じ再発盤でもいろいろな音があるのを知っていてほしい


prestige 7134


jazztime jt002
機会があればオリジナル盤を聞くと良い。無理とあれば2ndプレス、3rdプレスを聞くべきだと思う。確率的にオリジナル盤と同じスタンパーを使っていることが多いからだ
ソニー・ロリンズの超有名盤サキソフォン・コロッサスを例に取ると、オリジナル盤は高価で5〜10万くらいで取り引きされているが、2ndのNJラベルでは1〜3万、3rdのゴールドラベルでは1〜3千円、しかも3rdまではオリジナルのスタンパー使っているので音質的には音がオリジナルとさほど変わらない
こういうことを知っていると安い再発盤でもオリジナルと変わらない良い音を手に入れられる
サヴォイ、コンポラなど再発でオリジナルのスタンパー使っているのが結構ある。しかも人気がないので外盤であっても日本の中古盤と同じ値段である
しかし再発盤の良いところもある
オリジナルよりもジャケット・デザインが良いものもあるのだ。右のジャケットはプレスティッジのロリンズ・ウィズ・MJQ(PRLP7029)のフランス盤だが、ヨーロッパの再発初盤は特にオリジナル・ジャケットを使わないものが多く、結構イイ写真が使われている(ちなみにこのレコードスタンパーはオリジナルのものが使われている)欧州のジャケットだけを集めているコレクターもいるくらいだ
これもレコードの面白味の一つであろう


barclay 84057

カッティングによる音質の違い二例


impulse A-32
有名なコルトレーンのバラッズ。モノラル・オリジナル盤はツヤ有りオレンジ・レーベルでヴァンゲルダー刻印、2ndはやはりツヤ有りオレンジ・レーベルでベル・サウンド刻印、すなわち再発売でカッティング・エンジニアが何らかの理由で変わったのだが、この違いがあまりにも大きい。ベル・サウンド刻印のレコードはエルビンのシンバルの音が割れ、とても音楽を楽しむような音ではない
こちらも有名なトミフラのオーバーシーズ
プレスティッジの中でまた再発レコードの中で一番高価なのではないだろうか?オリジナルはもちろんメトロノームのEP3枚である。しかし音の違いは大きく、好みがハッキリと分かれる。メトロノームのEPは中域が弱くドラムがスコーンと抜けるような音。対するヴァンゲルダーがカッティングしたものは中域が厚く特にベースが浮き出てくるようなRVG独特の音


prestige PRLP7134