音源について


BlueNote
オーディオ雑誌で評論家がアナログ・プレーヤーを視聴し評価を下しているが果たして正しいのだろうか?
というのも雑誌などで視聴するレコードだが古い録音のものに音質の悪い再発盤が混じっている(特にジャズなどが多いが)
有名なオーディオ誌でさえ視聴盤のジャズは輸入盤と記するだけであり、それも50年代の再発の外盤で特に音が悪いとされているものがあった。このようなもので本当にアナログ機器の正しい評価がだせるのであろうか?
現在、音源について語っている評論家は非常に少ない。過去にはいち早く音源の重要性について語っていた故長岡氏がいた。その後、残念ながら音源の重要性を語る評論家はほとんどいない
音源を語らないオーディオ評論家が本当によい音を知っているのか疑問である
音源を重要視する事によってオーディオがランクアップするのは間違いない
例えば古いジャズではオリジナル盤と音の悪い再発盤とではオープンテープとカセットテープくらいの差がある。カセットテープをいくら数百万円のハイエンド機器で聴いてもオープンテープを中級機器で聴く方が遙かに音がよいだろう。


Prestige


Riverside

音質の善し悪しについてはオーディオ評論家よりもレコードコレクターの方が敏感であると感じている。
かつて今みたいにオリジナル盤がハッキリしていなかったときに皆が同じレコードのオリ盤や再発盤10枚以上並べて聞いていたことがあった。たいていはオリジナルとされている盤の音が良かったが中には再発盤(セカンド・プレス)やステレオ盤の方が良いこともある
(もちろん国内盤でも音質優秀なものがある)
音源はオーディオ再生の第一歩である。CDでもレコードでもプレス時期や制作場所を考えて購入すれば
わずかな出費でものすごくよい音を手に入れられる

クラシックでもジャズでも立派な装置でそれほど音の良くない国内盤や外盤で聞いてるオーディオファンがオーディオ誌に出ているのを見るとオーディオを趣味でやる人の多くは音源に興味がないように思われるのだが

音源の重要性

ジャズレコードの収集をしているとある時期に非常に音質の悪いものに当たる。それはステレオが普及し、モノラル盤の需要が下がった60年半ばにモノラル録音のものを無理矢理ステレオ盤にした疑似ステレオ盤で、さらにステレオ録音に失敗してお蔵入りになっていたステレオ録音テープをカッティングしたステレオ盤などだ。結果ジャズレコードでステレオ盤が毛嫌いされる要因となる
一部では録音が古いから仕方ない、古い録音は音が悪いと間違った認識をされることもあった
このようなレコードを使いハイエンドといわれている機器で聞いてみても音が悪いのは誰でも想像がつくであろう。例えばプレスティッジの輸入・ステレオ盤(バンゲルダー・カッティングの疑似ステレオ盤)を高級ステレオ装置で鳴らしてスゴイでしょ!と言われても返す返事に困る。レコードに入っていない音は再生できない、つまりレコードに入っている音以上の再生は無理である。したがって駄目な録音のレコードを高級装置で使うとよけい粗だけが目立つ、むしろ普及機の方がよほど良い音に聞こえる。
昔、オーディオ再生は入り口と出口が重要だと教えられたが、現在、レコードやCDの音源そのものが一番重要であると考えるのは当然であるし、アメリカのハイエンド・ユーザーの常識となっている。ある米・オーディオ誌に書いてあったらしいが、日本にはオーディオ・マニアはいるがオーディオ・ファイルはいないと、僕もその通りだと思う。