ちょっとめずらしい?じゃず・レコード盤??? Vol.3

高価ではないが珍しい?最近見かけなくなったレコードを紹介したいと思っています。しかしネタギレ間近なので、少し珍しいオリジナル盤も紹介しようと思うが、専門店ではやはり、高価になってしまう


5万円超すレコードは多くはなかったが・・・

ちょっと珍しいレコード・よもやま話(その1)

オリジナル・レコードの値段はどういう基準で決まるのか?私が集めだしたときにはオークションの落札価格に手数料などを考慮してお店に並んだが、10年位前?もっと前かもしれないが個人のコレクターが海外のオークションにもの凄い値段を付け始めた。それを見たディーラーも次回からはミニマム・ビットを一気に数倍以上付けることになり、結果バブル以降、店頭値段が10万単位が当たり前になる。いつの間にか人気があり珍しいレコードはレコード店の言いなりの値段で、それが売れるとまた最低ラインが上がる。今ではこんなモノがこの価格と驚く方が多くなった

右のレコードは最近驚いた1枚だ。10年以上前に六本木のWAVEで購入したセシル・テイラーの私家盤レコードで3千円位で購入。以後、段ボールに仕舞いっぱなしで忘れていたが、ある日レコード屋を覗くと15万で飾ってある。ビックリして店員に聞くと日本におそらく2〜3枚位しかないとのこと。確かWAVEでは2、30枚見た記憶があるが、本当にレコード屋の値付けがいい加減だと感じた。しかし売れてしまうとこれが基準になってしまうから恐ろしい世界だ


GRAMMOPHON 2740 105

FREE IMPROVISATION

左のレコードはBOX・3枚セットで1枚にフリージャズで有名な(絶頂期の)デレク・ベイリーのユニットISKRA1903が演奏しているために人気があるが、売っている場所で値段が10倍くらい違う不思議なレコードである。というのもドイツのクラシックレーベルのグラモフォンから出ているため、クラシックコーナーに置いてあると3、4千円で、ジャズコーナーにあると3万円前後で取り引きされる。。クラシックでの現代音楽は(熱狂的なファンはいるが)人気がない。しかもクラシックコーナーでよく見るのでこれを探している人はクラシック売り場で探した方が早く、しかも格安で手に入るかもしれない

MILES IN POLAND

80年録音のマイルス・イン・ポーランドである。ごく少数輸入され、jazz専門店などで売られた。私も知人から譲り受けたので(最初から)ジャケットがなかったらしいが良くわからない。2枚組だがラベルを見るとPSJ-X-001とPSJ-X-003。002がありそうだが東欧のレコードしかもジャケ無しでの販売なので何があっても不思議ではない。日本では数が少ないので高価ではないが入手が難しいレコードだと思う


POLJAZZ PSJ-X-001、003


ここら辺の番号のモード・レコードにはカゼヒキ盤だけしか存在しない?と言われている

ちょっと珍しいレコード・・番外編(その6)プライスカードに書かれているカゼって何?

たいした話ではないがオリジナル・レコードを集めているとカゼヒキ盤なるモノがプライスカードなどに書いてある。これはスタンパーからプレスした塩ビ(レコード)を剥がすときに(剥離材が悪いため?キレイに剥がれずに)表面に細かいボツボツが出来ることを言うが、針を落とすとザーっと言う音が最後まで出るのでそのレコードの価値は半減する。音溝とラベルの間を見るとカゼヒキ盤はくすんで見えるが、ある時期のプレスにはこのカゼヒキ盤しか無いので困る。例えばモードの120番以降?などだ。西海岸のマイナーレーベルに多いがプレスティッジなどでも有るので購入の時、注意が必要だ

ちょっと珍しいレコード・よもやま話(その2)

コレクターとは不思議なものでコレクションがある程度、集まりだすとよからぬことを考える。例えば多いのが何々in parisなどとあるとオリジナルがUS盤であろうがフランス初期盤を捜すようになる。例えばUS・リプリーズ盤のバド・イン・パリなどもフランス盤を見つけては喜んでいる。どうしても見つからなかったのがユナイテッド・アーティストのズート・イン・パリだ。UK盤までは見つかって近くまでは行ったのに?と仲間の笑いをさそう。さて、ドルフィー・イン・ヨーロッパはデンマーク・デビューがオリジナルだが再発US盤でプレスティッジからvol.1、vol.2、vol.3が出ている。もちろん、vol.1はデビュー盤と同じ、そうなるとvol.2をデンマーク盤で捜したくなる。これもまたオランダ盤プレスティッジまで見つけたがデンマーク盤が見つからない。近くまで行っているのに・・・でジャケもスタンパーもUS盤と同じである。しかし不思議と満足感があり大切なコレクションとなる。さて、デンマーク盤vol.2はどこにあるのやら?(後にデンマーク・デビューもオランダ・フォンタナに版権が移っているのでコレで良しとする見方もある)


HOLLAND PRESTIGE


PRESTIGE PPR 077

ちょっと珍しいレコード・・番外編(その7)スタンパーが同じなのに国によって音質の異なるのはなぜ?

オランダ・フォンタナといえばドルフィーのラスト・デイトが人気がある。イギリス盤も出ていて、ジャケットは殆ど同じで裏のライナーに写真が在るか無いかの違いだけで、スタンパーは全く同一の物だ。しかし不思議で音質が微妙に異なると感じている。イギリス盤の方が太い音を出すように感じ、オランダ盤は緻密さを感じる。両方とも重さには差がないが、イギリス盤はわずかにオランダ盤よりも硬い。前に書いたベイシーもそうだが盤の重量よりも、盤の微妙な硬さ、柔らかさでの音質の差の方が大きいと感じている。カートリッジで拾ったその微妙な差をアンプで何百倍にもしているので音質に差が出て当然と思うがいかがなものであろう?
プレスティッジなども同一スタンパーでアメリカ盤とヨーロッパ盤では音質が微妙に異なるので機会があれば聞いてみるのも面白いと思う


HOLLAND盤 FONTANA


U.K.盤 FONTANA

Zoot Sims with Bucky Pizzarelli

ジャズレコードでは極短期間でジャケットが替わるのは良くあることで、オリジナル・ジャケットとして高価で取り引きされている。例えばブルーノートのクリフォード・ブラウン、アート・ブレイキー、リバーサイドのビル・エヴァンスなど多数ある。しかし最近のレコードでも複数のジャケットを持つものが存在する。人気のあるズートだがバッキー・ピザレリとのデュオのレコードにはカラー・ジャケット、モノクロ・ジャケット、別会社の教則レコードの3種類で、いずれも同一スタンパーである(教則レコードだけはA面のみでB面はズート抜きである)
このレコードは私の愛聴盤でもあるがスタンパーを見ると(推測ではあるが)教則レコードがオリジナルと考えられ、出来がよいので後からB面を作り1枚のレコードにしたようだ。


CLASSIC JAZZ CJ 21


CLASSIC JAZZ CJ 21


教則本も付いている MUSIC MINUS ONE 672

JOANIE SOMMERS/TANGERINE

個人的に白人ボーカルが好きでドリス・ディやジョニー・ソマーズなどコンプリート?で所有しているがジョニー・ソマーズなどは、まだ新譜が出てくるのでCDもチェックしなければ買い逃すと捜すのが大変である。10年前に日本企画でボサノバを歌ったCDが出て私の愛聴盤の1枚になったが子供の悪戯で傷が付いてしまい、もう1枚捜すことに・・・4、5年かかったが運良く中古屋で入手出来た。しかし、こんなマイナーな会社でも企画番号が変わっていて再発が出ていることには驚いた。CDは結構、知らないうちに再発になっている場合があるとは聞いていたが、初回紙ジャケがプラケースに変われば解りやすいがプラケースからプラケースだと企画番号でしか解らないからレコード以上にオリジナルを捜すのは大変のような気がする。CDを聞いている人でオリジナルにこだわる人も少ないと思うが(私のボロイCDプレーヤーでも)オリ盤と再発盤とでジョニー・ソマーズの声が少し違うので気になる。再発盤は聞きやすくなっているが確実に中域が薄く聞こえる


89年発売 ハイブライト PCB-0001


93年発売 ハイブライト PCB-203

・・・・・ちょっとめずらしい?じゃず・レコード盤??? Vol.4へ続く・・・・・